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声明・意見書2010年度

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東北地方太平洋沖地震等に関する会長声明

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により犠牲になられた方々に対し深く哀悼の意を表するとともに、被災された方々に対し心よりお見舞い申し上げます。

 東北地方太平洋沖地震に伴い発生した大津波が太平洋岸を襲い、特に東北地方の沿岸地域に甚大な被害を生じさせ、多数の被災者が支援を待つ状況です。また、東京電力株式会社福島第一原子力発電所においては、放射性物質が漏出するという重大な事態が生じ予断を許さない状況であり、今なお危機的状況を回避する作業が必死に続けられております。

 北海道においても、死者1名が出た他、津波による浸水により770棟にも及ぶ住宅被害や漁業被害が出ております。

 当会は、今回の大災害により被災された方々を支援するため、3月14日、札幌弁護士会東北地方太平洋沖地震災害緊急対策本部を立ち上げると共に、会員からの義援金を取りまとめているところです。また、3月26日から当面の間、連日、被災された方々を対象とする電話による無料相談を実施するとともに、今後は、道内に避難されて来た被災者の方々に対する面接相談や、要請があれば被災地に出向いて相談を実施すること等、日本弁護士連合会や北海道弁護士会連合会を始めとする関係団体と連携しつつ、被災者の方々に対する支援と今後の復旧・復興に向けて、弁護士会としてできることは最大限実行していく所存です。

 その上で当会は、被災者がおかれている大変な状況に照らし、政府や自治体に対し、以下のことを要請します。

  1. 東北地方太平洋沖地震に伴う人的・物的被害の全貌は未だ明らかになっておらず、死者及び行方不明の方を含め2万9000人を超える未曾有の被害が日々報じられています。
    政府は、大地震と津波、さらに福島第一原子力発電所の被害拡大による人的・物的被害に対し、立法を含めた積極的な措置を講じ、資金及び社会的資源の投入を惜しまず、さまざまな政府の機関や民間による支援との連携を積極的に図り、災害救助、復旧・復興の支援に向けた万全の対応を行うべきです。
  2. 大地震による被害は終息していないうえ、被災地周辺での余震が断続的に発生しています。
    福島第一原子力発電所では、放射能漏れ等の重大な事態が生じており、放射能漏れによる作物や水等への影響を含む被害が、地元住民をはじめとして多くの国民に深刻な脅威を与え続けています。
    政府、原子力安全・保安院及び東京電力株式会社に対し、国民に、正確な情報を迅速に提供するとともに、適切な避難指示、十分な避難場所の確保等を適切に行うことによって、被害防止に最善を尽くすよう求めます。
  3. 今後も被災者の避難生活は長期化することが予測されます。被災者の心身の健康状態の悪化が懸念されることから、政府は、水、食料、防寒具等の必要な衣料、暖房器具、薬品等の物資の供給に万全を期すべきです。
  4. 現行の被災者生活再建支援法のみでは、今回のような未曾有の災害に対しては、必ずしも十分な対応が出来ない懸念があることから、政府は、今後早急に是正策を検討し、被害救済のために必要かつ弾力的な措置をとるべきです。
  5. さらに、北海道や札幌市等道内自治体においては、被災者の方々の当面の受入れ体制の整備と継続的支援につき、さらに万全を期すことを要望します。

 以上のとおり当会は、一刻も早く、被災者の皆様の生活再建と、被災地の復旧・復興を心から願い、会員の総力を結集して、被災された方々に寄り添った支援活動に全力を尽くす決意を表明します。

2011年(平成23年)3月25日
札幌弁護士会 会長  房川 樹芳

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