声明・意見書

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市民の皆様へ~「共謀罪」の制定について~

 市民の皆様、私は札幌弁護士会会長です。

 本日、いわゆる「共謀罪法案」が参議院で強行採決され、成立しました。

 5月23日には、衆議院で強行採決が行われました。翌日、当会は、これに強く抗議する会長声明を発しましたが、参議院では、あろうことか法務委員会の審議すら完結されず、「あれよあれよ」という間に成立してしまいました。

 当会は、「共謀罪法案」の危険性について何度も主張し、「共謀罪」の制定に反対してきました。集会やパレードの際には、たくさんの市民の方々からご賛同を頂戴いたしました。もちろん中には、「共謀罪法案」に賛成の方もいらっしゃるでしょう。でも、あのようなやり方については、どうお考えになりますでしょうか。十分な審議を尽くすことが、議会制民主主義の基本だと考えます。

 改めて、基本的人権を侵害するおそれの強い「共謀罪」の制定に抗議します。そして、議会制民主主義への挑戦ともいうべき横暴な強行採決にも、強く抗議します。

 「共謀罪」は制定されてしまいましたが、当会は、今後も、「共謀罪」が市民の権利を侵害する非常に危険なものであること、そして我が国の議会制民主主義がこの上ない危機に瀕していること、をたゆまず訴えていきます。

2017年(平成29年)6月15日
札幌弁護士会
会長 大川 哲也

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