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2017/05/18

日本国憲法公布70周年記念 中高生憲法作文コンクールを終えて

広報委員会

 札幌弁護士会は、2016年が日本国憲法公布70周年にあたることを記念して憲法作文コンクールを実施しました。北海道内の中学生、高校生を対象に「わたしと憲法」をテーマとした作文を募集したところ、全道から232通のご応募をいただきました。
中高生の皆さんが自らの体験をもとに憲法について考え、あるいは昨今のニュースから憲法に引きつけて考えたことをみずみずしい筆致で書き上げた力作が多く寄せられました。ご応募いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。
 審査の結果、入賞された皆さんは次の通りです(いずれも学年は応募当時のものです)。  

最優秀賞 北海道稚内高等学校2年 山崎 純佳さん 「憲法の中にある平和」
優秀賞  北星学園女子高等学校2年 河原 寿賀さん 「若者と憲法」 
     立命館慶祥高等学校3年 菅澤 由佳子さん 「多数決と三権分立」
     北海道札幌南高等学校1年 本田 ももさん 
       「人民の、人民による、人民のための」
特別賞  北海道稚内高等学校2年 川野 麻利亜さん  「憲法と私」
     北海道上ノ国高等学校1年 武田 優紀香さん 「憲法」
     北海道池田高等学校2年  柳田 澪那さん 
「平和と日本国憲法第9条」

 最優秀賞作品をご紹介いたします。

「憲法の中にある平和」

北海道稚内高等学校2年 山崎 純佳

 私が数ある憲法の中から一番注目しているのは第九条平和主義についてです。なぜなら私は、この憲法がある国、日本に生まれて幸せだと思ったからです。たくさんの国があるこの世界で平和主義のような憲法を持っている国は少なく、そんな中日本に生まれた私達は何か意味があるのかもしれません。
 私は小学校の頃から様々な平和学習をしてきました。私が住んでいる稚内市の近くでは昔、何の罪も無い人達がロシアの勘違いによる攻撃で命を落としました。二度とそんなことがないようにと、毎年稚内市では平和の折り鶴を折っています。この他にも日本人として決して忘れてはいけない悲惨な出来事はたくさんあります。その中でも第二次世界大戦は今の日本に大きな影響を及ぼしたことでしょう。広島と長崎に落とされた原爆は多くの人の命を奪うだけではなく、町全体も焼けてしまいました。私はなぜこんなひどいことをしてまで人間同士が争うのだろうと思いました。私が広島へ行った時、本当に素敵な町で本当にあのようなことがあったのかと疑いたくなる青空でした。しかし原爆ドームや原爆資料館には目を覆うような光景が並んでいました。改めて戦争の恐ろしさを思い知りました。私はこの時あたり前かもしれないけれど、原爆を二度と使用してはいけないと思いました。
 日本をほとんど壊してしまった第二次世界大戦ですが、もしそれがなければ憲法第九条も、今の私たちの平和はなかったかもしれません。だからこそ、その時代を生きてくれた人に感謝し、その分精一杯生きるべきだと私は思います。第二次世界大戦が終わって七十年。現時点で戦後一度も戦争に参加していない国はわずか八か国。その中に日本が入っているのは、憲法九条の存在が大きいと思います。これは日本人にとって誇りに思えることでしょう。戦後様々な形で受け継がれてきた平和学習をこれからもずっと、戦争を経験した人達がいなくなってしまっても続けていくべきだと思います。そのためには、これから大人になる私達が平和について勉強していかなければなりません。戦争について学び続けることによって、本当の平和の意味がわかると思います。
 長い間平和な日々が続き、平和があたり前になってしまっている日本。だが、いつ戦争が起こるかはわかりません。だからこそ憲法第九条をずっと守り続けるため、平和のありがたさを毎日感じとらなければいけません。なくなって初めてありがたさがわかるものもありますが、それでは遅いのです。手遅れになる前に日本国民一人一人が平和について考え、恒久の平和を念願し、平和を愛さなければいけないと思います。

以上

2017年3月12日には札幌弁護士会館で表彰式を行いました。

 札幌弁護士会では、今後も憲法作文コンクールを実施し、中高生の皆さんに憲法を考えてもらう機会にしたいと考えています。皆さんのご応募をお待ちしています。