ものごとをありのままに受け取らず、自分の価値基準で解釈や判断を加えることを「ジャッジ」と言うそうです。
簡単に言えば「決めつけ」。
私たち弁護士は、そんな人それぞれに違う「決めつけ」のこじれた結果をお世話させていただいているようなものだと思います。
最近も、それを身近で感じることがありました。
私の事務所には若い弁護士が1人いるのですが、その彼と私とでは仕事のやり方がまったく異なります。
彼はきめ細かく丁寧に律義に仕事をするのを得意としているのですが、私はどちらかと言うと大雑把で、無駄なことは嫌い、できるだけ効率的にやりたいほうなのです。
彼はそういうタイプなのだということをわかっているのに、ついつい、無駄が嫌いな私からしたら、彼のしていることは無駄が多くて、まどろっこしいように思えてなりませんでした。
そんなとき、ある人から「ジャッジしている。」と言われました。
確かに、「彼のしていることは無駄」と思いこんでいたんですね。
でも、それは私の価値基準。
一度、それを外して見てみると、私にはできないような、きめ細やかな対応や安定感のある仕事の進め方で、お互い補い合っていることがわかりました。
何事も感謝、感謝です(笑)。
つい先日も、事務員さんの間で「ジャッジ」に基づく行き違いがあったようです。「この人はこうだ。」「こうに違いない。」という決めつけは、広い視野で物事を見ることができなくなってしまい、せっかくの見聞を広げる良い機会を失ってしまいますね。