弁護士業は,ストレスの多い仕事である。
お客様から依頼を受けている案件は,1件毎にそれぞれ特徴があり,中には,どの様に進めるべきか悩ましい案件も多々あるし,突発的な出来事に対処しなければならないこともある。
しかも,弁護士は,一人で決断しなければならず,当然,その決断について自ら責任を負うのであるから,心理的な負担感は個人差があれども,一様にとても重いものである。
ある人からは,弁護士業をしている以上,常にお腹に鉛が置かれている状態に慣れなくてはならないとも言われたこともある。
したがって,その分,どこかの時間で気持ちを楽にし,一時的に仕事のことを忘れられる時間が必要となってくる。
私の場合は,ゴルフである。
ゴルフ自体の楽しさに目覚めたことも大きいが,やはり,プレー中はゲームに集中しその時間は仕事のことが完全に頭から離れるのである。
しかも,ゴルフコースは森の中を歩いてマイナスイオンを吸収することになるから肉体的な健康にもよい。
先日,事務所の弁護士に聞いたら,彼は,最近,座禅をし始めたという。
とある休日,近所のお寺で1時間の座禅をしたところ,頭がからっぽになり,宇宙と一体になれたそうである。
また,住職の受け売りと思われるが,かのスティーブジョブス氏も座禅を習慣としていたと得意げに話していた。
座禅の効用は一朝一夕には現れないであろうが,要は,たとえ短時間でもいいから,仕事を忘れ,気持ちを切り替えることが,改めて仕事に取り掛かる際のエネルギーになるということである。
他方,私のゴルフ熱は冷めることはないであろう。
一生の趣味であると同時に,仕事をこなすための両輪なのである。