先日、更新期限が数日後に迫ったギリギリのところで自動車運転免許の更新に行ってきました。
日々、臆病な運転を続けた結果、無事に無事故無違反で過ごすことができましたので、私の事務所から徒歩数分のところにある中央警察署内の更新センターでわずか30分の講習を受けるだけで済み、あっという間に更新の手続は終わりました。
もともと車を運転するのは好きで、ちょっとした出張の際には自分で車を運転して行くことが多く、また、夏場には休日にドライブがてら公園や温泉へ行くといったことも多いのですが、冬になると運転をする機会はぐっと少なくなります。天候や路面状況によって目的地までの所要時間が夏場の倍以上にかかったり、場合によっては渋滞に巻き込まれて到着時間の予測さえつかないことも多いためです。
また、なにより交通事故の不安も大きくなります。
交通事故の法律相談を受けると、しばらく運転控えようかな、などと感じることがあります。これからまだ数か月続く北海道の冬道運転では、どんなに気をつけていても、ツルツル路面でスリップしてなかなか止まれない、雪山に隠れて歩行者が見えない、吹雪で視界が真っ白になり気が付いたら前の車に迫っていた、などということが少なくありません。
正直なところ、運転者としても、歩行者としても、ヒヤリとした経験は何度もあります。
そんなわけで、冬道で車の運転をするときには、慎重さを通り越して、常に臆病な運転を続けています。
免許更新の講習では、小学生の子どもを亡くしたというお母さんのインタビューが流れていました。短い講習の中では、道交法の細かいルール解説よりも、こうした当事者の生の声を聴き、自動車はとても便利だけれど、いつ事故が起きるかわからないということを自覚させてもらうほうが効果的だと感じました。
交通事故が起きた場合に、弁護士がお手伝いできるのは、結局のところ金銭面での解決しかありません。極端な言い方かもしれませんが、どんなに頑張っても、弁護士が交通事故に遭った方の怪我を治せるわけもなく、結局は賠償金が増えるだけ。もちろん、賠償金が増えることは被害者にとって望ましいことなのですが、交通事故に遭って良かったと思う人はまずいません。
やはり、交通事故が起きる前に戻れるなら戻りたい。
今年の冬もまたしばらく臆病な運転を続けたいと思っています。