みなさんは裁判官がどのように仕事をしているか知っていますか?
裁判官というと,オカタイ職業で頭のいい方々がまじめに,落ち着いて仕事をしている印象をお持ちの方も多いかと思います。
こんな印象のある裁判官,ずっと同じ場所で落ち着いて仕事をしていると思いきや,実は,すべからく転勤族なのです。その転勤の頻度はほぼ,3年に1度,転勤の時期は4月です。転勤先は,裁判所があるところ,南は沖縄から北は北海道まで,全国のどこかということになります。配置希望はもちろん出すことができると聞いていますが,希望したところにいけるとは限りません。ただ,東京,神奈川,埼玉のように近いところにずっと配置してもらうことは基本的に不可能で,原則は3年に1度引っ越しをせざるを得ない状況のようです。3年に1度は強制的に引っ越し!と思うと大変ですよね。
さて,この裁判官の転勤,裁判を受ける人にほんの少しだけ影響することがあります。そう,裁判中に4月が来ると,担当の裁判官が転勤で変わってしまうことがあるのです。
裁判官は同じ事件であればだれでも同じ結論が出せるよう,様々な教育を受けています。ですから,転勤で担当裁判官が変わったからといって判断が変わることはほぼありません。とはいえ,最終的な判決を出すまでの裁判の進め方は裁判官によって様々だったりします。ですので,裁判中に担当の裁判官が転勤することになると,次にどんな裁判官が来るのか私としては若干気になるところです。気にしたところで裁判官の人事を変更することができるわけでもなく,結局受け入れるしかないので,あまり意味はないのですが…。
もし,みなさんが裁判をすることがあり,4月をまたいでしまった場合には,裁判官が変わったか,新しい人はどんな裁判官かを弁護士に聞いてみるのも面白いかもしれません。
最後に,弁護士の転勤事情について一言だけ。弁護士は自由業ですが,ずっと同じ土地で弁護士を続ける人がほとんどです。検察官も裁判官と同様転勤族なので,法曹3者の中では唯一地域に根を下ろして活動する職ということになります。札幌の弁護士は,札幌の状況を前提に地元密着型で活動していますので,お困りのことがあれば,ぜひ,お近くの弁護士までお気軽にご相談ください。