もっともっと活用して欲しい制度に民事調停があります。民事調停は、訴訟ではありません。あくまでも話し合いによって、 解決点を見いだそうという制度です。
私は、民事調停は、正装をして、江戸時代で言うなら上下を着けて、公式に話し合う制度だと思っています。
普段着の話し合いなら、いつでもできそうですが、普段着だけに、言いたい放題、感情的にもなりやすい。だから、まとまりそうでまとまらないこと が多いのです。
一方、民事調停は、きちんとしたルールに則って、調停委員という審判役がいて話し合いです。しかも、その審判役は公正で、一方当事者に偏ること はないので、話し合いがまとまる可能性がかなりあります。
民事調停は、双方別室で待機し、一方ずつ、調停委員の前で自分の考え方を述べますので、冷静に、理路整然と論点整理が可能となり、損得勘定も、 敵対感情も整理されていくことが多いのです。民事調停の費用は訴訟の半分で、話し合いの結果、訴訟となれば、民事調停の時に納めた印紙代を流用で きるという便宜もあります。
民事調停制度は裁判所が提供するすばらしい制度だと思います。本人一人で、弁護士なしでも十分対応可能な制度です。とはいえ、私はこの制度を結 構利用していることが多いです。弁護士にとっても、確実に話し合いが前に進むので非常に制度だと思っているからです。