家族や知人が家を借りたとき、お金を借りたときなどに頼まれて連帯保証人になった経験があるという方も少なくないかと思います。
しかしながら、連帯保証人になってしまったことによる法的なトラブルも数多く起きているのが現状です。
具体的な事例を挙げますと、勤務している会社の社長に頼まれて資金繰りのための借入の連帯保証人になったが会社が倒産してしまった、夫の住宅ローンの連帯保証人になりその後離婚し、夫がローンを支払っていたが、10年後に夫が破産してしまった、死亡した父親が他人の借入の連帯保証人になっていたことが判明したなどという例がありました。
このような事例では、連帯保証人、連帯保証人の相続人は、残念ながら債務を弁済する義務があると言わざるをえません。
連帯保証人の責任はとても重いものです。連帯保証債務も相続の対象になってしまいますし、たとえ主債務者である会社が倒産したり、個人が破産手続をしたりした場合でも、連帯保証人としての責任を免れることはできません。このような場合は期限の利益を喪失したとして、連帯保証人は残債務を一括で支払うように請求されることになります。
実際に連帯保証債務以外に自身の借入が全くないのに、多額の連帯保証債務の一括請求を受け、支払することが困難なことから、自己破産をせざるを得なくなったというケースもたくさんあります。
このようなトラブルが後を絶たず、社会的な問題にもなっていることから、昨年には金融庁の監督指針が改正され、金融機関からの借入について会社の経営に関係のない家族等に連帯保証を求めないことを明確化されましたし、連帯保証に関する法改正の動きもあります。しかしながら、まだまだ連帯保証に関するトラブルはなくならないでしょう。
「絶対に迷惑をかけないから」などといって連帯保証人になることをお願いされることもあるかもしれませんが、「絶対」はありえませんので、慎重にご判断されることをお勧めします。