夫婦が離婚する際、未成年の子供がいる場合には、子供の親権者を父と母のどちらにするのかを決めなければ離婚することはできません。ところが、養育費の支払や面会交流については、必ず離婚の際に決めなければならないことではなく、決めなくても、または後から決めることもできるのです。
養育費は、離婚した夫婦それぞれの収入状況を主な判断材料として、その相関関係で決められることが通常です。つまり、支払う親の収入が多くなれば、金額は多くなり、受け取る親の収入が多くなれば、金額は少なくなります。養育費は、子供の生活費となるもので、義務者は毎月一定の金額を支払うことになります。
面会交流は、子供を養育・監護していない親が子供に面会等をすることをいいます。夫婦が離婚しても、子供にとって親が二人であることに変わりはありません。親に面会することが子供にとって利益となるのであれば、面会交流が否定される理由はないのです。面会交流の決め方は様々ですが、毎月何回、何時間、どの場所で面会するのかなどを決めることになります。
ところで、養育費の支払と面会交流は、交換条件となるものではありません。「面会させないのであれば、養育費を支払わない。」とか「養育費はいらないから、面会させたくない。」などと言う人がいますが、親同士の駆け引きの道具ではないのです。
面会交流をすることと,養育費を支払うことは,直接関係はありませんが,両者は,子供に対する愛情表現という点で共通するのではないでしょうか。養育費の支払は,子供を養育・監護していない親にとっては,経済的な負担となるものですが,子供が平穏な日常生活を送るためには欠かせないものですし,そのことを考えれば,養育費の支払を負担と感じることもないでしょう。子供にとっても,親が養育費の支払をしてくれることに愛情を感じるのではないでしょうか。
また,面会交流権は,親が子供に会うことができる権利ですが,子供の福祉に合致することが大前提です。面会交流において,子供の心を混乱させるようなことを言ってはいけないでしょう。反対に,親が子供との面会交流を望んでいないとすれば,子供はどう思うのでしょうか。自分に対する愛情に疑問を感じはしないでしょうか。離婚をした後でも,親と子供との関わりは途切れることなく続くのです。