執筆:浦河ひまわり基金法律事務所
葉山 裕士 弁護士
「過払い金」「払いすぎた利息は取り戻せます」といった表現を目にされたことがある方は少なからずいらっしゃるのではないかと思います。
私がご相談を受ける方の中にも、「自分にも過払い金はあるのだろうか」とご相談に来られる方は少なくありません。
その一方で、「借金の返済に困っている。自分は破産をするしかないのだろうか」、さらには命を絶つことまで考える段階に至ってご相談に来られた方が、実は「過払い」となっていて、破産や命を絶つどころか、貸金業者からお金が戻ってきたというケースもあります。
「過払い」となるかどうかは、取引の期間やその間の借入と返済の状況、支払っていた利息等によって決まってくるため、借金をされている方全てが「過払い」になるわけではありませんが、例えば信販会社や貸金業者に対して既に返済を終えている方、利息制限法という法律で許されている15%~20%の利率を超える利息の返済を長期間継続している方などは「過払い」となっている可能性があります。
払い終えた借金のことなど思い出したくないし、借金に関する書類は全て捨ててしまったから「過払い」になるかどうかなどわからないという方も、弁護士に依頼をすることで、過去の取引経過を明らかにすることができ、「過払い」となっているかどうかを弁護士に判断してもらうことができます。「過払い」の場合、実際の事件解決にあたって借金のことを思い出していただく場面はそう多くはありませんし、もし「過払い」であれば過去の苦しみが多少なりとも救われる結果となるかもしれません。
また、借金のことが家族に知られてしまうのではないか心配な方もいらっしゃるかもしれませんが、可能な限りご家族に知られずに進められるような方法についても、弁護士から提案を受けることができます。
もし借金が残ってしまう場合であっても、借金の整理に関するアドバイスを受けることもできます。
「過払い」については法律問題の中でも比較的情報を得やすく、既に問題を解決されてきた方も多くいらっしゃる分野ではありますが、日々の業務の中では依然として解決が必要な方がいらっしゃるのではないかと感じられます。
もし、ご自身や身近な方で、過去に貸金業者との間で取引があった方や長期間貸金業者との間で取引をされている方などがいらっしゃいましたら、一度お近くの弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。「過払い」の場合はもちろん、借金が残ってしまう場合であっても、きっと相談された方に適した解決案が見つかるはずです。