執筆:ひだかひまわり基金法律事務所
原 英士 弁護士
今回は、借金等の悩み事相談を誰にすべきか、私なりの考えをお話ししたいと思います。
私は、日高地方の法律事務所の弁護士として、地元の方から、借金を始め、たくさんの悩み事相談を受けています。相談では、軽種馬産業や水産業など、地場産業に基づく地元経済の特徴を理解していないと、適切に問題を解決できないことがあります。例えば道内では、冬場は仕事が減るため、収入が少なくなったり、仕事自体失うこともあり、借金の問題はそのようなことも考慮して対処しなければなりません。つまり、同じ土地で同じ気候のなか、地元民として生活しているからこそ相談者と共感しあえることがあり、悩み事解決においては、そのことが非常に重要になる場合が多いというのが、相談を受ける弁護士としての実感です。
確かに、借金等の悩みを抱えていることを誰にも知られたくなく、近くの弁護士では知り合いなどに知られてしまうと考え、例えば遠い街の専門家に相談したいという気持ちは、分からなくもありません。しかし、弁護士や弁護士事務所の職員には、法律などで守秘義務が課されていますので、弁護士に相談した内容が第三者に知られることはありません。また、弁護士事務所や法律相談センターなどに出入りするところを知り合いに見られたくないという気持ちも分からなくはありませんが、弁護士事務所などに出入りすれば、即、その人に何か問題があるということには決してなりませんので、是非、何も気にせず気軽に相談に来ていただければと思っています。
むしろ、前述のとおり、近くの弁護士は、地域性などを踏まえ、相談者に適した解決方法を、相談者と一緒に考えることができますので、近くの弁護士に悩み事を相談するメリットは、とても大きいと思います。
ところで、借金の相談といっても、例えば、多額の債権債務が問題になったり、居宅に抵当権がついていて住む場所がなくならないようにしたいという思いがあったり、身内が連帯保証人になっておりその者に迷惑をかけられない事情があったり、どうしても身内に借金のことを知られたくない事情があったりと、その内容は千差万別ですが、共通して言えることは、相談者にとって、借金の悩みが、とても大きな精神的ストレスになってしまっているということです。借金等で悩まれている方は、ぜひ一度、遠慮することなく、お近くの弁護士に相談してみてください。