執筆:むらやま法律事務所
徳永 賢太郎 弁護士
新年明けましておめでとうございます。
今回は新年最初のコラムということもあり,新人弁護士の一年についてお話をしてみようかと思います。
新社会人というと,その年の4月から仕事を開始する,というのが日本では最も一般的な形態であるように思いますが,現在,新人の弁護士が仕事を始めるのは12月末若しくは新年の1月からとなっています。これはどうしてそのような仕組みになっているのかと言うと,弁護士は,司法試験合格後約1年にわたり,司法修習という,いわば弁護士を含めた法曹としての修行の期間があり,その司法修習を終えるのが12月であるため,一般の新社会人とは異なる仕組みになっているのです。
しかし,1年の修行を終えて弁護士になったとは言え,新人の弁護士としては,正直右も左もわからない状態であるのは一般の新社会人と変わりがなく,弁護士として仕事を始めて数カ月は,弁護士会で実施される研修を受ける日々が続きます。私は会社勤めをした経験がなく,弁護士としてしか新人時代を過ごした経験はありませんが,研修に追われ,覚えなければならない事の多さに圧倒され,分からないことが更に分からなくなって悩むといったところは,新人弁護士も新社会人もあまり変わらないのではないでしょうか。
そして,業界内では新人であるものの,対外的にはれっきとした一弁護士であることの悩みも尽きない日々が続きます。私自身も,一年目の当初,よく仕事の夢にうなされ,寝ても覚めても仕事に悩まされている自分がいたことをよく覚えています。
弁護士も,一人の社会人として,社会人なら誰しもが通る悩みを当たり前に抱え,経験を積んで弁護士として生きています。ただただ順風満帆に弁護士として生きている弁護士はおそらく一人もいないはずです。そして,だからこそ,相談にお越しになる方々の悩みに共感し,一緒になって問題をどう解決するのかを考えています。
こんなことを相談したら笑われる…そんな風に考える必要は全くありません。相談を受けた弁護士は,あなたの悩み事にきっと共感することができるはずです。悩み事を抱え,解決の糸口が見つからない。そんなときは是非お近くの弁護士にご相談ください。
以上