周波数 | 三角山放送局 76.2MHz「トークinクローゼット」内コーナー |
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放送時間 | 毎週火曜日 AM 9:15~ |
札幌弁護士会広報委員会が昨年7月からお送りしている「札幌弁護士会の知恵袋」。
7月の月間テーマは「弁護士の見つけ方・相談・依頼・契約について」です。
ゲストは、プロデューサーの肝いりで選ばれた札幌弁護士会の大デブ小デブこと、後藤雄則弁護士と高橋健太弁護士。
法律相談センターという弁護士会の相談窓口の運営をしている後藤弁護士と広報担当の高橋弁護士が弁護士をどうやって探していくか、自分たちのことはさておきアドバイスをしていきます。後藤弁護士が高橋弁護士の高校の先輩である地位を利用した放送中のパワハラにご注目ください。
どのような弁護士に依頼すべきか、弁護士さがしのお話しです。
是非聞いてご参考にしてください!
放送日 | 2016年7月5日 |
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ゲスト | 後藤雄則弁護士、髙橋健太弁護士 |
今週の放送 キーワード |
弁護士、法律相談、裁判、交渉、調停、着手金、報酬、弁護士と契約、弁護士の専門、セカンドオピニオン、弁護士への依頼、弁護士のホームページ、弁護士の探し方 |
— はい,今週も「札幌弁護士会の知恵袋」の時間がやって参りました。
今回から,「弁護士の見つけ方・相談・依頼・契約」というテーマで放送します。
ゲストは札幌弁護士会に所属の後藤雄則(ごとうたけのり)さんと髙橋健太(たかはしけんた)さんです。
後藤・髙橋:よろしくお願いします。
— 今回は,弁護士の見つけ方から契約までという内容なのですが,まずは,お二人の自己紹介をお願いします。
第1 弁護士を探す
後藤:私は札幌弁護士会で法律相談センター運営委員会という委員会で副委員長を行っております。法律相談センターは一般市民の皆さんに相談に来ていただくセンターの運営委員会でして、弁護士を探すうえで良い話、悪い話を聞くことが多いので、今回こういったテーマでお話ししようと思っております。
髙橋:私は、札幌弁護士会で広報委員会の委員を担当している高橋健太と申します。広報委員会以外にも研修委員会、子どもの権利委員会に所属しています。よろしくお願いいたします。
— お二人は違う事務所と伺いましたが,一緒に仕事をされたりするのですか。
後藤:個別の仕事は残念ながら一緒にしたことはないですが、弁護団で一緒に仕事をして
おります。最近まで体型が全く一緒ということで親近感が強く私が一方的に髙橋先生に仲間意識があったという関係です。
— 確かに髙橋先生はそんなに太っていないですよね。前は違ったのでしょうか。
髙橋:はい、弁護士になって35キロ太りました。深夜についついおにぎりが美味しくて。
後藤:事務所が忙しすぎるからですね。これは労災として、事務所を訴えるお手伝いしようと思っていたのですが、訴えませんか。
髙橋:本当にやめてください。
後藤:私も鋭意ダイエット中なのですが、全く効果が出ていないため、どこかに相談にいこうと思っています。どこに相談に行けばいいか悩んでいます。
髙橋先生どこに相談にいけばいいでしょうか。
髙橋:先生、違う相談の話になっています。
— 話がそれかけましたので、本題に入っていきたいと思います。
確かに弁護士さんって、なかなか普段生活していると知らないことも多いのですが、どのように相談に行く方が多いのでしょうか。
第2 弁護士のホームページ
髙橋:知っている人に紹介して貰うということもあると思いますが、なかなか弁護士にお願いしたことがある、などと言わない方も多いですよね。
昔は電話帳で調べてということが一般的でしたが、今はホームページなどを見てということが多くなっていると思います。
後藤:あとはTVでCMしているところやラジオでもCMしているところもありますし、最近ではインターネットで弁護士を紹介するサイトみたいなものもありますね。
昔は弁護士に広告規制があって、広告さえ出来なかった時代があったのですが、今はそれが解除されたので、弁護士を見つけやすくなっているとは思います。
— そうですね。いろんな事務所の宣伝はよく見かけますね。ただそれでもどこに行こうか選びづらいですよね。お二人の事務所も電話帳やホームページで依頼が来るのでしょうか?
髙橋:私の事務所は弁護士が10名いて、電話帳やホームページも比較的力を入れている
ので、そうした形で相談にいらっしゃる方もいらっしゃいます。
後藤:私の事務所もホームページはあるのですが、検索しても上位に来ないので、そうしたきっかけはほとんどありません。弁護士3名というそれほど人数も多くない事務所ですので、今は紹介して頂いた仕事でやっております。
— ホームページを見て何かポイントはありますか
後藤:難しいですが、内容が充実しているからといっていい弁護士かどうかは判断できないと思います。ただ、それだけのホームページを作るということは熱意ですから、一つの基準にはなると思います。所属している弁護士の人数という判断基準もあると思いますが、結局は担当する弁護士と合う合わない次第だと思いますので、ホームページは一つの目安にしかならないと思います。
髙橋:そうですね。私の事務所ですと弁護士10名いますが、事件を進めていく上で難
しく、作業が多い事件は複数の弁護士で担当します。
— ホームページ以外でどういった形で弁護士を探す方法があるのでしょうか。
第3 弁護士に相談
後藤:あとは、弁護士会が運営している法律相談センターというところであれば、弁護士会の多くの弁護士が所属して日替わりで担当しており、そこでお会いした弁護士に実際に依頼されるということがあると思います。
あとは各公共団体、市役所や区役所での相談会もあります。
法務省が運営している法テラスというところから相談が来ることもあります。
髙橋:特殊な事件では、弁護団を通じて受任することもあります。
— 先ほどの法律相談センターや法テラス、というところの話がありましたが、それは
どういうところなのでしょうか。
後藤:法律相談センターは、弁護士会が運営している相談場所です。
札幌市内ですと北1条の西11丁目に本部がありまして、新さっぽろにもあります。
札幌近郊では、おたる、しりべし、ひだか、むろらん、とまこまい、など近郊の都市にもおかれています。
多くの弁護士が登録して日替わりで相談受けています。
髙橋:法テラスは、登録している弁護士のところに、相談を配転するシステムになっていて、各弁護士の事務所で相談をする形が法律相談センターと違いますね。
後藤:正直、相談行かれる方はどちらでも良い弁護士に出会えるならば構わないと思います。ただ両方とも札幌弁護士会の多くの弁護士が関わっているので、その中で両方とも3回まで弁護士に相談できますし、これはいい!と思う弁護士がいた段階で頼まれるのも一つではないかと思います。
— これがいい、と思うポイントとしてどんなところなんですかね?
髙橋:これは人それぞれだと思うんですよ。
我々のようにふくよかな弁護士がいいという方もいるでしょうし(笑)。厳しく言う弁護士もいますし、あまり最初は厳しいことを言わずに進める弁護士も多いです。ただ、やっぱり説明が丁寧ですとか、そういったことは大事なのではないでしょうか。
後藤:お医者さんとかもそうですよね。レスポンスの早さ、回答、連絡が早いうというのも一つの目安ではないかと思います。ただこれは非常に悩ましくて、あやふやなことも言えないと思いますし、事案によってはじっくり検討しなければいけないというものもあります。一般の方からすると弁護士は法律のことは何でも知っていると思われるかもしれませんが、ちなみに弁護士が法律何でも知っているというのは幻想です。
もちろん基本的なものは押さえていますが、割と調べて回答するということもありますよ。知っている雰囲気は出します(笑)。
— 相談に行くときに何か準備をする必要はありますか?
後藤:何もなくても大丈夫なのですけど、やはり相談に関係する資料があると助かります。
もし裁判になった場合、ということを踏まえてアドバイスすることが多いのですが、資料が証拠となりますし、そういうものを見たいかなと思うことはあります。
髙橋:ただ何を言えばいいかなんてわからないと思いますから、まとまってなくても大丈夫ですよ。早く来て頂くということが大事と思います。
後藤:男女関係の場合はどうしても経緯を最初から伺うので、長くなりやすいですね。
— なるほど、離婚などの場合ですね。専門的な先生を探したいというのもあると思いますがそういった場合はどうすればいいのでしょうか
第4 弁護士の専門
後藤:専門は何ですか?と割と良く聞かれますが、これが実は弁護士にとって悩ましい質問で、得意だという思いもあっても専門と割り切っていいかという問題があります。
正直、得意といって書いているホームページのうち、同業から見ると、本当?というところは無いとは言いません。大事なところなので、強調しますが、全部じゃないで
すよ、いいところ一杯ありますよ。
ただ、本当に専門というのは悩ましくて,割とこの分野は多くやっているなーというのを専門と行って良いかという悩みはあります。
髙橋:一応、弁護士会の広告の指針で、専門家、専門分野という表示を広告でしてはならないというきまりがあるんです。
— それはどうしてですか?
髙橋:専門というのを客観的に定めづらいところがあり、経験や能力がない中、専門を名乗って、依頼者に迷惑がかかる危険性があるということになっています。
後藤:弁護士側の勝手な言い分と思いますけどね。
何かちゃんとした基準作ってやればいいのにとも思います。
髙橋:私も基準が作れるのであれば作った方がいいと思いますね。
後藤:たとえばお医者さんだったら、病院をいくつも回るなんてことも大変なので、何人もの弁護士に相談するということも大変と思います。なので専門ということも分かった方がいいと思います。
でも大変な件ほど、その弁護士と打ち合わせも重ねなければならないので、納得して依頼された方がいいと思います。
— 札幌管内の弁護士も増えて、700名を越えているんですね。
後藤:そうですね750名を越えていると思います。
— セカンドオピニオンのように聞くことはいいんでしょうか?
第5 弁護士のセカンドオピニオン
後藤:これは契約している場合としていない場合で少し違いますね。
契約していない場合は当然問題ないです。
むしろいろんな弁護士の相談を聞いて、誰に依頼するか決めて頂ければと思いますし。
1人の弁護士と契約している場合については、ある程度セカンドオピニオンということをきちんと伝えて頂く必要があります。相談すること自体は自由ですし、場合によってはおかしな処理ではないかということについて意見が欲しいということはあります。
ただ、二重に依頼は受けられないので、そのことは言って頂いた方がいいです。
高橋先生は優秀なのでそういう相談受けることあると思いますが?
髙橋:優秀ではないですが、契約されている方、されていない方両方、受けたことはありますね。
— あと、自分の家に相談に来てくれということなんてないんでしょうか?
髙橋:これは高齢の方の場合に出張相談の制度もありますし、私も必要があれば行くこともあります。ただ、遠方だとなかなか日程調整が出来なかったりするので、基本は事務所にお越し頂くことが多いです。
後藤:あとは、弁護士会でいろいろな電話相談もやっています。
札幌弁護士会の法律相談センターで言うと、ハロー電話相談、女性の相談者のみが女性の弁護士にそうだんする「ほっとらいんぶ~け」などもあります。
— あとはメールでの相談を受けることもあるのですか?
第6 弁護士にメール相談
髙橋:基本はお会いしないで、進めることは難しいですが、依頼を受けたあとにやりとりすることがあります。
最初からメール相談はあまり弁護士はしないですね。
後藤:そうですね、ネットの掲示板形式での相談はあるようですが、個々の弁護士でメール相談受付中などはあんまりみないですね。ウイルス送られたりするかもしれませんし。
ただ、基本は会って面談して決めるということだと思います。
法律相談は割と人間の感情面でも大きい要素であるので、弁護士としてもお会いして話をという思いがありますので。
髙橋:なかなか行きづらいということはよく聞きますが、昔よりは改善されていると思います。
今日の話を参考に必要ある方は、探してみていただればと思います。
— いろんな弁護士に相談するところがあるのですね。みなさん参考にして頂ければと思います。さて,本日の札幌弁護士会の知恵袋は以上になります。札幌弁護士会の知恵袋は,札幌弁護士会のホームページで過去の放送分をテキストで見ることができます。また,音声でも聞くことができます。今日の放送で聞き漏らした部分があるという方はぜひチェックしてください。
進行は田島美穂(タシマ ミホ)でした。
制作・著作
<エグゼクティブプロデューサー>
弁護士坂口唯彦(札幌弁護士会)
<プロデューサー>
弁護士北山祐記(札幌弁護士会)
杉澤洋輝(三角山放送局)
<脚本>
弁護士後藤雄則(札幌弁護士会)
<出演>
番組MC 田島美穂(三角山放送局)
ゲスト 弁護士後藤雄則(札幌弁護士会)
弁護士髙橋健太(札幌弁護士会)
<監修>
弁護士上田絵里,弁護士山田敬純,弁護士佐藤敬治(札幌弁護士会)
<初回オンエア>
平成28年7月5日