あなたの知りたいコンテンツのジャンルは?

アーカイブ検索
2012/12/27

1月11日「弁護士と教師で学ぶ憲法と法律の授業実践セミナー」開催のご案内

広報委員会

札幌弁護士会では,中学生・高校生への憲法教育の取り組みとして,毎年「中高生のための憲法講座」の開催や高等学校の社会科の授業への弁護士の派遣を行ってきました。このような弁護士会の憲法教育の取り組みについて小学校・中学校・高等学校の先生方に紹介し,更に憲法教育の輪を広げるため,2013年1月11日に「弁護士と教師で学ぶ憲法と法律の授業実践セミナー」を開催することになりました。

これまで中学生・高校生に向けた憲法教育のイベントや授業はありましたが,学校の先生方に向けたセミナーは今回が初めての開催となります。このセミナーを企画している札幌弁護士会の川島英雄弁護士に,セミナーの詳細について話を伺いました。

――弁護士会ではこれまでも憲法教育に取り組んできたということですが,どのような取り組みがなされてきたのでしょうか?

インタビューに答える川島弁護士

2006年から2007年にかけて札幌弁護士会主催で取り組んだ「憲法を考える180日」というイベントの一環として,2007年3月にダグラス・ラミスさんを講師にお招きして開催した「中・高校生のための憲法講座-考えよう,憲法は,誰のために,何のためにあるの?-」が初めての取り組みでした。

その後,「中・高校生のための憲法講座」は毎年3月に開催を続け,本年3月の開催で第6回を数えるまでになりました。回を重ねるごとに参加者も増えて,恒例行事として徐々に定着しつつあると思います。

また,これと並行して,学校の先生方にご協力いただき,毎年いくつかの高校に弁護士を派遣して,社会科の授業に参加して憲法の理念を伝える活動を続けてきました。

――川島さんはどのようなかたちで憲法教育に関わってきたのでしょうか?
私は第1回の「中・高校生のための憲法講座」の後,学校へ弁護士を派遣していこうという提案をした一人です。言い出した以上,率先して動かなければならない立場となり,2008年度から現在までほぼ毎年高校へ行って社会科の授業に参加しています。

授業への参加のかたちは学校によって様々です。政治経済の授業の1コマに飛び込みで参加することもあれば,年度末近くの時期に1学年全体の企画として50分授業を2コマ使って授業をすることもあります。題材も多彩で,時事的な問題を取り上げることもあれば,裁判例を題材にすることもあります。また,憲法上の人権を取り上げる場合も,あるときは表現の自由を取り上げたり,別の機会には刑事被告人の権利などを中心に授業を進めたりすることもあります。

ただ,どの授業でも共通しているのは,憲法の細かい知識などを伝えるのではなく,憲法と法律の違い,憲法の存在意義や理念を伝えることを目的としているということです。

これまでに開催された憲法講座のチラシ

――学校の先生方に向けた憲法教育のセミナーは今回が初めてということですが,どのようなきっかけで今回のセミナーを実施することになったのですか?
私たちは,少しでも多くの生徒たちに,これまで私たちが取り組んできたような,憲法の存在意義や理念を理解する授業を体験して欲しいと思っています。

これまでは弁護士の個人的なつながりでご協力いただける学校の先生方を探し,少しずつ取り組みを広げてきていましたが,そこから先がなかなか広がりませんでした。その理由には,私たちの情報発信が不十分であったこともあると思います。

そこで,これまで私たちが取り組んできた憲法授業を多くの先生方に知っていただき,学校での授業の取り組みを広げるために,今回のセミナーを開催することにしたのです。

――今回のセミナーのセールスポイントを教えてください。
今回のセミナーには,特別講師として法学館憲法研究所所長である伊藤真先生をお招きしています。伊藤真先生は,長年司法試験の受験指導をされてきたことで有名ですが,最近は憲法教育に熱心に取り組まれていますので,非常に参考となるお話をうかがうことができるのではないかと考えています。

また,私たちが特に準備に力を入れているのは,これまで取り組んできた憲法授業の実践報告をするセミナーです。分科会形式での3つの実践報告のほか,全体での実践報告もありますので,参加される先生方には様々な授業実践に触れていただくことができると思います。

――最後に,今回のセミナーへの参加を考えている学校の先生方へのメッセージをお願いします。
学習指導要領の改訂により「法教育」の重要性が認識されるようになってきていますが,残念ながら,現在のところ根本規範であるはずの憲法を最優先に指導していくという形にはなっていないように思います。生徒から見れば,憲法は,権利などの条文が並んでいるもの,覚える対象のものという程度の認識しかないのが現状と思われますが,このような認識では憲法についての理解はなかなか深まらないのではないかと思います。

私たちは,生徒達に,憲法の存在意義や理念,憲法と現実の社会がどのように結びついているのかということを理解してもらいたいと考えており,できる限りわかりやすい形でこれを伝えようとしてきました。こうした活動をより多くの学校の先生方に紹介することで,授業の中で参考としていただいたり,私たち札幌弁護士会の弁護士を授業に呼んでいただいたりする機会を増やして,より多くの生徒達が憲法についての理解を深めてくれることを期待しています。

このような私たちの取り組みの趣旨をご理解いただき,ぜひ今回のセミナーにご参加いただきますよう,よろしくお願い致します。

「弁護士と教師で学ぶ憲法と法律の授業実践セミナー」開催についてのご案内
「弁護士と教師で学ぶ憲法と法律の授業実践セミナー」開催についてのご案内

日時 2013年(平成25年)1月11日(金)
午前9時50分~午後4時(開場9時30分)
場所 札幌市中央区北1条西12丁目 さっぽろ芸文館(旧北海道厚生年金会館)
対象 北海道内の小学校・中学校・高等学校教諭及び教育関係者等
定員 150名
参加方法 事前申込み制(申込用紙記載の必要事項をご記入いただき、1月8日までに郵送、ファクシミリ又はメールにてご応募下さい。)
なお、定員に満たない場合は、当日参加も可能です。
参加申込締切 1月8日
参加費 無料
主催・共催・協賛 主催 札幌弁護士会
後援 北海道教育委員会・札幌市教育委員会
問い合わせ先 札幌弁護士会
電話:011-281-2428

こちらのイベント情報は札幌弁護士会のウェブサイトに掲載されております。