札幌弁護士会では,3月9日「第7回 中高生のための憲法講座」を開催いたします。札幌弁護士会では,中学生・高校生に向けた憲法教育の取り組みの一環として,例年「中高生のための憲法講座」の開催を続けてきましたが,今回は第7回目の憲法講座の開催となります。

過去の「中高生のための憲法講座」参加者の集合写真
今回は,この「中高生のための憲法講座」について,札幌弁護士会憲法委員会の田中健太郎弁護士にインタビューいたしました。
――今年の「中高生のための憲法講座」はどのような内容なのでしょうか?
本年の憲法講座のテーマは「『健康で文化的な最低限度の生活』ってなんだろう?」です。
2012年には札幌市内で40代の姉妹が餓死してしまうという痛ましい事件が発生しました。いまの社会において「生きる」ということが難しくなっている状況を象徴している事件の一つだと思います。
今回の憲法講座では,憲法25条の「健康で文化的な生活」という文言を一つの拠り所として,「生きる」ということについて一緒に立ち止まって考えてみたいと考えています。
――「憲法講座」という名前ですが,学校の授業のように弁護士が憲法の条文について教えてくれるというものでしょうか?
いいえ,そうではありません。憲法の条文を覚えて終わりというものではなく,憲法の条文はあくまで議論の一つの拠り所にすぎません。
憲法講座は毎年ゼミナール形式で行われます。このゼミナールでは中学生・高校生が一緒になって議論し,その結果を発表し合うことによって考えを深めていきます。今回のゼミナールでは,「『健康で文化的な最低限度の生活』とは何か」「それを実現するにはどのような方策がありうるか」について具体的に論じてもらうことを予定しています。
弁護士は議論をサポートしたり,議論に参加したりしますが,弁護士がただ一つの「正解」を知っているわけではありません。弁護士もまた中学生・高校生と一緒になって上記のような問題を考えていきたいと思います。
――異なる学校の中学生・高校生が初めて集まっての議論,しかも憲法という難しい問題について議論するのは難しくはないですか?
実際に憲法講座に来た学生のみなさんも当初はそのような心配をお持ちのようですが,実際に講座に参加すると,中学生・高校生を問わず積極的に議論に参加して,その結果満足して帰られるようです。
これまでに憲法講座に参加した学生のアンケートでも,「想像以上に内容が濃くてとてもおもしろく楽しめました」「すごく勉強になりました。来てよかったなぁーって思いました」「難しい事例について同年代の人達と討論できたことはとても刺激になった」などの評価を頂いています。
――なるほど,大変好評ですね。最後に今回の憲法講座への参加を考えている中学生・高校生のみなさんへのメッセージをお願いいたします。

田中健太郎弁護士
自分自身も大学生のときに憲法学者の杉原泰雄先生の憲法講座に参加して非常に感銘を受けました。現在は弁護士として,一人でも多くの主権者と「未来の主権者」である学生の皆さんに対して積極的に憲法の考え方を伝え,この社会に日本国憲法が定着するように努めたいと思っています。
憲法講座に参加するのに特別な知識や準備は全く必要ありません。「憲法講座ってどんなものかな?」「ちょっと参加してみようかな」という好奇心が少しでもあれば十分です。弁護士が丁寧にサポートしますので,一緒に憲法について学んでみませんか。
たくさんの中学生・高校生のみなさんとお会いできることを楽しみにしております。ぜひ「中高生のための憲法講座」にご参加ください。
第7回「中高生のための憲法講座」―「健康で文化的な最低限度の生活」ってなんだろう?―のご案内
日時 | 2013年(平成25年)3月9日(土) 午後1時~4時30分(参加生徒は午後0時30分集合) |
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場所 | 札幌市中央区北1条西10丁目札幌弁護士会館5階大会議室 |
イベント概要 | 中学3年生・高校生を対象とする憲法に関するゼミナール |
対象 | 中学3年生・高校生 なお、応募されなかった中学3年生・高校生も、一般の方も、どなたも見学は自由です(見学は事前申込み不要です)。 |
定員 | 30名程度(応募者多数の場合には先着順とさせていただきます。) |
参加方法 | 事前申込みが必要です。郵便、FAX又はメールの方法でお申し込み下さい。 |
参加申込締切 | 2月28日 |
参加費 | 無料 |
主催 | 札幌弁護士会 |
後援 | 北海道教育委員会・札幌市教育委員会 |
問い合わせ先 | 札幌弁護士会 011-281-4823 |