第５６回日弁連人権擁護大会プレシンポジウム「なぜ、今「国防軍」なのか　激論！孫崎享×水島朝穂」のご案内

札幌弁護士会では、６月２４日（月）１８：００～、かでる２・７大ホール（札幌市中央区北２条西７丁目）で、「なぜ、今「国防軍」なのか」と題した講演及びパネルディスカッションを実施します。

この時期にこのような内容の企画を立案した理由や、本企画の皆様へのアピールポイントなどについて、企画担当者である札幌弁護士会憲法委員会副委員長の今橋直弁護士にインタビューしました。

――今回の企画の概要を教えてください。

「なぜ、今｢国防軍｣なのか」と題したシンポジウムです。この題名からお分かりの方も多いかと思いますが、憲法改正問題、特に平和主義の問題を取り上げます。
二人の講師をお招きし、それぞれ講演を頂いた後、対談形式で議論していきます。
講師の一人目は、元外交官で、ウズベキスタン大使やイラン大使、その後防衛大の教授をされた孫崎享さん。国際情勢に精通し、日米関係や領土問題についての著書を多く書かれている方です。
もうお一人は憲法学者で早稲田大学法学学術員教授の水島朝穂さん。以前に札幌学院大学で助教授をされていたこともある、北海道に縁のある方です。社会問題を憲法の視点から語る著書が多くあるほか、ご自身のホームページで、毎週「直言」と題した論評を発信しています。特に平和憲法について積極的に発言されています。

――この時期にこのような内容の企画を立案したのはなぜでしょうか？

昨年（2012年）４月に自民党が憲法改正草案を発表しましたが、これは、現在の平和主義を大きく変容させるもので、国防軍を創設する、集団的自衛権の行使を認めるとの内容も含まれています。その後自民党が政権をとったことで憲法改正の動きが加速し、現実味を帯びてきました。テレビや新聞でも憲法改正についての報道、論評、特集が組まれることも多くなっています。
特に、自民党は憲法改正を７月の参議院選挙の争点のひとつにすると言われており、憲法改正の問題は、私たちが投票する際の判断材料のひとつになるのです。
そうした状況の中で、本当に憲法を変える必要があるのか、国防軍創設で国際問題は解決できるのか、現在の憲法９条、平和主義はもう役に立たないのか、国際的な紛争を平和的に解決する方法はないのか、憲法改正によって私たちの生活にはどのような影響が生じるのか、これらのことを市民の皆さんと一緒に考える機会を持つ必要があると考えました。弁護士会がその役割を果たさなくてはならないと。

――今回の企画のアピールポイントはどこですか。

二人のビッグな講師をお迎えするということです。お二人とも現在、日本全国で引っ張りだこです。
これまで、平和主義、憲法９条を議論する場合、ややもすると理想論であったり、抽象的であったり、哲学的であったりということがありました。しかし、現実に中国との領土問題や、北朝鮮のミサイル問題などが目の前にあります。これを解決するための道筋を具体的に考える必要があるのです。そうしたとき、国際情勢に精通されている孫崎さん、憲法の視点から社会問題に関して提言をされている水島さん、というお二人の方をお招きすることで、現実的な、具体的な、理想論や哲学でない地に足のついた議論ができると考えています。

――最後に、ウココロＷｅｂをご覧のみなさんへのメッセージをお願いいたします。

憲法改正というと、今までは遠い話題でした。自分達にはあまり関係がない、と思われていた方も多いかと思います。
しかし、この問題は、今、目の前に、すぐそこにあるのです。そして、私たちの生活に直結する問題なのです。今後の私たちの国をどのような国にするのか、私たちの子どもや孫の世代にどのような日本を残すのか、その判断をすることが突きつけられています。
そのことをみなさんが考えるきっかけ、材料のひとつとなれれば幸いです。平日の夜、というなかなか外出しづらい時間帯になってしまいますが、どうぞ当シンポジウムにおいで下さい。

ぜひ６月２４日（月）１８：００～、かでる２・７大ホール（札幌市中央区北２条西７丁目）で行われる「なぜ、今「国防軍」なのか」にお越しください。

シンポジウム　「なぜ、今『国防軍』なのか　～激論！孫崎享 Ｘ 水島朝穂～」のご案内