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2014/02/27

3月8日開催「第8回中高生のための憲法講座」のご案内

広報委員会

札幌弁護士会では,3月8日「第8回中高生のための憲法講座」を開催します。札幌弁護士会では,中学生・高校生に向けた憲法教育の取り組みの一環として,例年「中高生のための憲法講座」の開催を続けてきましたが,今回は第8回目の憲法講座の開催となります。

今回は,この「中高生のための憲法講座」について,札幌弁護士会の吉田玲英弁護士にインタビューしました。

――今年の「中高生のための憲法講座」はどのような内容なのでしょうか?

今回は,ネット社会での表現の自由をテーマとして取り上げます。  最近はスマートホンを持っている人が多くなり,LINEの利用者も増えていると思いますが,一方で,LINEによるいじめが何件も起きていると聞いています。そして昨年7月には広島で殺人事件も起こりました。それ以外にも芸能人のブログが『炎上』したり,掲示板では個人に対する誹謗中傷が書き込まれたり,ネット社会の自由さを悪用するような問題が本当に多くなりました。

しかし,だからといって単純に規制すれば問題がすべて解決するのでしょうか。規制することには別の問題もあるのではないでしょうか。そもそも,表現の自由とはどんな権利なのでしょうか。そこで,ネット社会での表現の自由について深く考えてみたいと思っています。

――「憲法講座」という名前ですが,学校の授業のように弁護士が憲法の条文について教えてくれるというものでしょうか?

いいえ,そうではありません。憲法の条文を覚えて終わりというものではなく,憲法の条文はあくまで議論の一つの拠り所にすぎません。
憲法講座は毎年ゼミナール形式で行われます。このゼミナールでは中学生・高校生が一緒になって議論し,その結果を発表し合うことによって考えを深めていきます。決まった結論や回答はなく,議論をして,異なった考え方に触れながら,自分の考え方をより深めてもらうことが目的です。
議論することは,表現の自由として憲法で保障された権利ですし,民主的な社会の中では,自由に議論できることこそが何よりも大切な価値ですから,正解という結果を求めるのではなく,自分の考え方を決める過程を大切にして欲しいと思います。

――異なる学校の中学生・高校生が初めて集まっての議論,しかも憲法という難しい問題について議論するのは難しくはないですか?

みなさん最初は同じようにそう思うみたいですが,全く心配はいりません。憲法の知識が問われるのではなく,自分が普段の社会生活の中で思っていることを表現し,また,他の人の意見もきちんと聞きながら,議論をしていければ十分だからです。
実際に講座に参加したみなさんからは,「想像以上に内容が濃くてとてもおもしろく楽しめました」「すごく勉強になりました。来てよかったなぁーって思いました」「難しい事例について同年代の人達と討論できたことはとても刺激になった」などの感想をいただいています。

札幌弁護士会・吉田玲英弁護士

札幌弁護士会・吉田玲英弁護士

――なるほど,大変好評ですね。最後にみなさんへのメッセージをお願いいたします。

国の根本規範と呼ばれる憲法は,実は常にみなさんの生活に結びついています。ですから,憲法について考えるということは,そのままみなさんの生活を考えることでもあるのです。
憲法講座に参加するのに特別な知識や準備は全く必要ありません。最近は憲法改正という言葉が新聞などでもよく報じられるようになりましたが,改正する前に,憲法とはどういうものなのか,憲法は実際に自分たちの生活とどう関わっているのかということについて,ちょっと考えてみていただけばと思います。
「ちょっと参加してみようかな」という好奇心が少しでもあれば十分です。弁護士が丁寧にサポートしますので,一緒に憲法について学んでみませんか。ぜひ「中高生のための憲法講座」にご参加ください。

札幌弁護士会HPへのリンクはこちら