札幌弁護士会(刑事弁護センター運営委員会)は、2025年3月25日と3月29日の2日にわたり映画「Winny」の上映会を開催し、延べ120名の方にお越しいただきました。
Winnyというのは、ユーザー同士で直接かつ簡単にデータのやりとりができる、ファイル共有ソフトの名称です。
Winnyが開発された2002年当時、Winnyを利用して映画や音楽、ゲームなどが大量にアップロードされたことが社会問題になっていました。違法にアップロードしたWinnyユーザーが全国各地で逮捕される中、Winnyの開発者である金子勇さんまでもが、著作権法違反幇助の罪で逮捕、勾留され、起訴されてしまいました。
このイベントで上映した映画は、天才プログラマーと謳われた金子さんと、金子さんの権利や未来を守るために闘った弁護士たちの、実話を元にした物語です。
3月29日の上映会では、金子さんの弁護人を務めた秋田真志弁護士と壇俊光弁護士にお越しいただき、両弁護士へのインタビューも行いました。

インタビューでは、主に秋田弁護士から、「人質司法」と呼ばれる、自白を引き出すために長期に身体拘束がなされている現状や、不正な取調べといった、刑事司法の問題点の指摘、並びに、取調べの録音録画及び弁護人の立会いの重要性についての解説がなされました。
また、壇弁護士からは、金子さんの人柄が伝わるエピソードや、映画撮影の裏話など、ここでしか聞けないお話を伺いました。壇弁護士と金子さんの絆の強さや、Winny事件への思い入れの強さをひしひしと感じました。
本イベントに参加された方からは、取調べの録音録画や、取調べへの弁護人立会いは「必要である」との声が多く寄せられました。
これからも、幅広い世代あるいは様々なバックグラウンドを有する方に向けて、刑事司法に関する情報を発信し続けるとともに、取調べの全面可視化や弁護人立会いの実現等、適正な刑事手続を実現するための活動に取り組みたいと考えています。