平成26年7月25日(金)午前9時から正午まで、札幌グランドホテル本館2階「金枝の間」で、道弁連大会記念シンポジウムが開催されます。シンポジウムのテーマは「法教育」。タイトルは“「法教育のチカラ」~次世代の可能性を拓く~”です。
今回は、道弁連大会実行委員会の委員であり、札幌弁護士会法教育委員会の委員である吉田悟志弁護士に、シンポジウムに関するインタビューを行いました。
――そもそも道弁連大会とはどのようなものでしょうか
私たち弁護士は、必ず各地域の弁護士会に所属しています。私が所属しているのは札幌弁護士会ですが、北海道内には旭川、釧路、函館にも弁護士会があり、これら4つの弁護士会が協議や連絡をするために「北海道弁護士会連合会」(略して「道弁連」)という組織を設けています。
道弁連では、毎年夏に定期大会を開催しており、全道から多くの弁護士が集まって会議などを行います。毎年定期大会にあわせてシンポジウムが開催されるのですが、今回はこのシンポジウムについてのご紹介をしたいと思います。
――シンポジウムのテーマとして法教育が選ばれた理由は何ですか
法教育とは、法や司法制度、これらの基礎にある価値などを理解し、法的なものの考え方を身につけてもらうための活動のことをいいます。あくまでも「考えること」を重視した活動であって、単に法律の名前や条文を暗記するための活動ではありません。
札幌弁護士会では、法教育の一環として、学生の皆さんや一般の方々を対象に、法に関する授業や模擬裁判などを行ってきました。現在では旭川、釧路、函館の各弁護士会でも同様の取組みが活発化し始めています。もっとも、このような取組みはまだ一部の学校などで行われているにすぎません。法教育を普及させ、内容を充実させていくためにはどうしたらよいかをみんなで考えたい、という思いから、シンポジウムのテーマを法教育に決めました。
――シンポジウムの内容や見どころを教えて下さい
まず、冒頭の基調報告では、法教育に関する札幌弁護士会のこれまでの取組みを、弁護士からご説明します。次に、札幌市内の高校で行った法教育の授業映像をご覧頂きながら、授業を担当した教員や弁護士が解説を行います。これにより、実際にどのような授業がなされているのか、具体的なイメージをもってご理解頂くことができると思います。さらに、高校時代に法教育の授業を受けた大学生や社会人の方々にインタビューを行いましたので、その映像をご覧頂きます。法教育の授業で学んだことが、現在の勉強や仕事にどのように生かされているのかなど、複数のテーマについて語って頂きます。

札幌弁護士会法教育委員会委員 吉田悟志弁護士
メインとなるプログラムは、パネルディスカッションです。弁護士がコーディネーターを務め、高校や大学の教員の方々、弁護士がパネリストとなり、法教育とは何か、法教育の普及や充実のためにはどのような取り組みが必要か、などのテーマについて熱く議論を交わします。今回はパネリストとして徳山高専の小川仁志先生にもご登壇頂くことになっています。小川先生のご専門は哲学ですが、法教育との関わりについて大変興味深いお話が聞けることと思います。
――最後に、記事をご覧の方々にメッセージをお願いします
今回のシンポジウムには、多くの弁護士が参加いたしますが、教育関係者の方々はもちろん、一般の方々にも広くご参加頂きたいと考えています。参加費は無料ですし、事前の申込みも不要です。法教育に興味をお持ちの方も、そうでない方も、ぜひ会場に足を運んで頂き、法教育のもつ可能性について私たちと一緒に考えて頂きたいと思います。
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