平成23年12月3日に北海道と札幌弁護士会共催の道民フォーラム「ハンセン病問題を風化させないために 今、私たちにできること~北海道ハンセン病問題検証報告書を受けて~」が開催されました。その際、私は総合司会として関わらせていただきました。
北海道ハンセン病問題検証報告書が完成されたことを受け、道民フォーラムではシンポジウムとハンセン病問題を描いた映画を上映しました。
北海道ハンセン病問題を風化させないためにというテーマの下、北海道ハンセン病問題検証会議座長、療養所に入所されている方、教育現場でハンセン病問題と関わられている高校の先生等様々な方から問題に関し提言がなされ、ハンセン病問題について考える上で大変意義のあるフォーラムであったと感じています。
その中でも映画監督の発言も私にとってはとても印象に残るものの一つでした。
上映映画「ふたたび~swing me again」は、ハンセン病患者として隔離され、ジャズバンドの仲間でライブを開催する夢を断たれ、子どもとも生き別れた男性が夢を叶える旅に出る物語です。一人の男性の物語として描かれたこの映画は感動を呼び起こしますが、映画のストーリーのあちらこちらにハンセン病問題がちりばめられており、差別問題の恐ろしさとこういった問題は二度と繰り返してはならないと改めて感じることのできる名作でした。
この映画はいわゆる教育映画とは異なり、大衆向けの映画です。監督は撮影にあたり、教育映画も社会問題を提言する上で重要な役割を果たしているものの、できる限り多くの方、特に多くの若者に観てもらうことができるように大衆向けの映画という媒体を使って問題を表現をしたいと考えていたとおっしゃっていました。
たしかに嫌な歴史や難しい話等には目をそむけたいという気持ちがわいてしまいがちですが、この映画は人にも勧めたいと思えるような内容のものでした。
私も、日々の業務の中で関わる事件などで、事前にちょっとした知識をもっていればトラブルを防げたのではないかと感じることがあり、機会に恵まれれば高校等で出張授業をさせていただくことがあります。ただ、そのたびになかなか聞き手が自分の問題としてとらえられるほどに興味をもってもらえる話や相手の心に伝わる話ができているかと振り返ると、反省をすることが多いです。
今回、道民フォーラムにも参加いただいた監督の姿勢や志を見習って、今後私なりに工夫をしてできる限り興味をもってもらえる方法でプレゼンテーションができたらいいなと実感させられました。
「ふたたび~swing me again」、監督の思いがたくさんつまったいい映画ですので是非ご覧になっていただければと思います。
2012/01/01
【隔週一言】プレゼンテーションの方法
