皆さんは,何か自分なりの生活リズムを整えるツールをお持ちでしょうか。例えば読書や音楽といった隙間時間に利用できるもののほか,スポーツジムでの鍛錬など・・・。
私にとってそれは,「コーヒーを飲むこと」でした。思い起こせば,ざっと10年以上,正にコーヒー中毒というべき生活が続いてきました。
1日に平均して5~10杯程度。おはようからおやすみまで何かと言えばコーヒーを飲んで,一服したりカフェインで喝を入れたり。もはや単なる飲み物の枠を超え,ガソリンのような役割を果たしてきたと言っても過言ではありません。頭を切り換えるという意味では,学校のチャイムのような役割も。
しかし,ある日突然。本当に突然,なぜかコーヒーをあまり飲めなくなりました。
別に体調が悪い訳でも何でもなく,いつものように朝食と共に一杯目のコーヒーを啜ったときに,ふと,妙に苦いと感じたのです。私はいつもブラックで飲むのでコーヒーが苦いのはある意味当然のこと。むしろその苦みを求めてこれまで馬のように(馬はコーヒーを飲まないけど)コーヒーを飲んできたのに・・・。
慌てて色々な種類のものを飲み比べてみましたが,やはり妙に口がまずくなる。
これは何たることかと私は焦りました。コーヒーが飲めなくなったら何で気合いを入れて書面を書けばいいのか。タフな打ち合わせをねぎらえばいいのか。酒か。しかし,これは残念ながら平日は午後5時半以降にしか摂取できない,いわばご褒美です。
そこで,しぶしぶ紅茶や中国茶を飲みながらの生活が始まったのですが,意外にも全く問題ありませんでした。たまたま最近行った台湾で質の良い烏龍茶やジャスミンティーを大量に買い込んでおり,いまや目覚めや就寝前の一杯はこちらが良いアシストをしてくれます。コーヒーとはまた違う深いコクと吹き渡るような爽やかな香味は,それはそれで切り替えの役割を果たしてくれるようです。
家の中だけでなく外出中も缶コーヒーを手放せなかった私は,こうして特に努力も苦労もなくコーヒー中毒から抜け出したのでした。
ただし,未だにコーヒーを飲んだときの高揚感は忘れられず,いつかまたパートナーとして帰ってくる日が来るのでは,とも思っています。