弁護士へ相談しようと考える多くの方は、「専門の弁護士」を紹介して欲しいと思っているのではないでしょうか。
では、弁護士へ相談しようと考える方がイメージする「専門の弁護士」とは、実際にはどのようなものでしょうか?
「その分野に精通している弁護士」が正しいのではないかと思います。その分野の事件を取り扱っている割合が多くなくても、現時点での関心がその分野にだけ向いているわけではなくても、その分野に詳しい弁護士であれば「専門」として満足いただけるのではないでしょうか。
しかし、弁護士が「専門」と標榜してしまうと、「ほぼ特定の分野の事件しか扱わない弁護士」もしくは「その分野に精通している弁護士」のいずれかであるとイメージされてしまいがちなのです。
全国の大多数の地域では、ある特定の分野の事件しか扱わない弁護士というのは非常に数少ないはずです。そのため、「専門の弁護士はいますか」と尋ねられてしまうと、その分野を取り扱う弁護士がいないわけではないのに「専門はいません」と答えざるを得なくなってしまうのです。
また、事件というのは、似ている事案であっても厳密には一つ一つ違うため、裁判結果などの実績で弁護士の能力を比較することが適切であるとは限りません。
このように、弁護士が「専門の弁護士」と標榜するのはとても難しいのだということを、ご理解いただければと思います。
もっとも、最近は各弁護士のホームページも充実してきているので、「その分野に特に関心を向けている弁護士」であれば、ある程度は探 しやすくなっているのではないかと思います。
札幌弁護士会のホームページでも、各弁護士が特に重点的に取り組んでいる分野などをご紹介しています。あくまでも各弁護士の自己申告ではありますが、「その分野に特に関心を向けている弁護士」の参考にはなると思いますので、ぜひご活用いただければと思います。