先日、人から趣味を尋ねられ、ふと思いついて「書店巡り」とこたえました。
趣味というほどのものではないかもしれませんが、ここ数年、毎週のようにどこか書店に立ち寄っては、新刊を眺めたり、気になる本を手にとっていることに思いあたったのです。
もっとも、最近では、本の購入、とくに業務で使うような法律関係の専門書の購入はオンラインショッピングを利用することも多くなりました。専門書の場合、大型書店に行かなければ在庫がなかったり、そもそも在庫を置いておらず、結局取り寄せになってしまうことも少なくありません。その点オンラインだと、24時間いつでも、絶版でもない限りほとんど在庫を気にすることもなく、注文すれば2,3日で手元に届くので大変便利です。
とはいえ、やはり書店に足を運び、とくに目当ての本があるでもなく、本棚の端から端まで、ぶらぶらと眺めてまわるというのは楽しいものです。書店によって本の並べ方や薦め方も様々で、その店その店のポリシーというか、雰囲気の違いを感じるのも好きです。ときどき、それまでまったく興味を持っていなかったような本に惹かれ、思わず購入してしまうこともあります。最近は、本棚の前にベンチを置いたり、購入前の本を持ち込めるカフェを併設している書店も増え、ますます書店巡りがしやすくなっている気がします。
一方、最近では電子書籍を購入して読むようにもなりました。
とくにここ1年ほどは、意識的に電子書籍に慣れてみようと思い、紙媒体のものと電子書籍が両方出版されているものは、あえて電子書籍を購入してみたりしています。
当初は、読みたい本が少ないうえに、ページを行ったり来たり、書き込みをしたりという読み方がしづらく、結局は紙媒体の本が良いなぁと思っていたのですが、慣れてくるとスムーズに読めるようになり、電子書籍なりの利点を実感するようになりました。
電子書籍の利点は、紙媒体のものに比べて若干価格が安いところなどもありますが、やはりなんといっても、重くかさばることもないため、持ち歩きが簡単というところです。これまで、出張や旅行の際、あらかじめ何冊か本を持参し、JRや飛行機に乗る前に書店をぶらつき、1,2冊を見繕っていたのですが、こうなると行きの時点ですでに複数の本が鞄に入っているうえに、帰りの時点ではさらに増えることになりかねず、鞄がどんどん重くなっていくというのが悩みでした。この点、電子書籍であれば、何冊、何十冊とあろうがまったく問題ありません。移動中に読み終えてしまうかも…、途中で飽きて違う本を読みたくなるかも…、などと考える必要もなく、すべて持って行ってしまえば良いのです。
また、一度読みかけて途中で飽きてしまい、本棚の奥に追いやって買ったこと自体忘れてしまったような本も、電子書籍であれば、空き時間に手元でパラパラと「本棚」自体を眺めることでその存在に気づき、気になったときに流し読みができます。こういった検索のしやすさ、流し読みのしやすさも、電子書籍の利点だと思います。
電子書籍と既存の書籍を巡る議論はいろいろとありますが、一読者、ユーザーとして、選択肢が増え、読書の幅はますます広がっているように感じます。
書店巡りをして昔ながらの紙の本に触れつつ、電子書籍も活用して読書を楽しみたいと思います。