最近10年くらいの間に、インターネットが急速に普及し、携帯電話やスマートフォンを含めれば、多くの人が、「インターネットに接続しない日はない」といえるくらい頻繁にインターネットを使っているのではないでしょうか。
私も、毎日インターネットで買い物をしたり道順を調べたりしています。
最近では、インターネット掲示板に質問を書き込むと、誰かが答えを返してくれるというサイトもあるようで、日常の法律問題も質問されているようです。
しかし、このような便利なインターネット掲示板にも、落とし穴はあります。
それは、書き込まれた答えが必ずしも正しくないということと、自分の書き込んだ質問の内容が、自分の状況を的確に表現できているとは限らないということです。特に後者の点は重要だと私は考えています。
私のところに相談に来られる方のお話を聞いていると、「裁判を起こしてでも相談者を助けてあげたい」と思うものばかりです。
しかし、ひとしきり相談者の質問が終わり、私の方でいろいろと質問していくと、「裁判を起こしても請求が認められないかもなぁ」と思い直すことがよくあります。
裁判に発展する事件や、裁判とはならないまでも弁護士に相談が持ち込まれるケースの中で、「どちらかが一方的に悪い」というのは意外に少ない気がします。
当事者双方に問題があるケースでは、当事者本人は、感情が高ぶっていますので、自分にとって不利なこと、都合の悪いことについては冷静に分析できていません。
自分では冷静に分析できていない「不利な事実、都合の悪い事実」は、インターネットに書き込んで質問する場合、多くの場合、「無かったこと」になってしまいます。
回答者も、そのような不利な事実がないことを前提に回答をしてしまいます。
そうすると、結局相談者は自分に不利な事実に気付かないまま、誤った結論だけを信じ込んでしまう場合があるのです。
弁護士が相談を受けた場合は、相談に来られた方が今現在どういう状況に置かれているのか、相談者に不利なこと、不都合なことであってもきちんと確認し、今後相談者がとるべきベストな選択を経験や知識に基づいて的確にアドバイスをすることができます。
法律問題で困ったときはインターネットに頼るよりも、親身になってあなたの質問に答える弁護士に、直接ご相談下さい。