実際、法律問題に直面してしまうと気が弱い人でなくてもついつい言えないことというのがあるはずです。逆に、離婚事件や相続事件などでは直接当事者間で言い合うことになるともうそれは口ケンカになってしまいます。
しかし、弁護士という立場であれば、当事者に代わって堂々と言わねばならないこと言えて、しかも、ケンカ状態にもならないのです。
日本人には、人の死をお金で評価することを嫌うという風潮があるようで、実際、依頼者の中には、交通事故や医療事故の死亡案件などで加害者に損害賠償を求めるケースなどでは、周りの風潮に流されてしまって、言いたいことも言えなかったり、ついつい遠慮がちになってしまったりする方がいらっしゃいます。しかし、弁護士であれば、言うべきことは躊躇無く言えるのです。
逆に、自分自身を褒めるということも日本人は苦手だと思います。その点、離婚問題や相続問題で、弁護士は自分の依頼者がどれだけ苦労してきたのか、どれだけ家庭生活や両親に貢献をしてきたのか等依頼者を擁護する弁論をすることが可能です。
このように自分自身では言うことが難しいことを、弁護士という第三者を通じて正当に主張することができるというのは、弁護士を依頼する極めて大きなメリットではないかと思うのです。
裁判ではかなり厳しいことを双方の弁護士が言い合うことになりますが、決して感情的にはならず、理性的な法的な主張を行うということになります。生じた事実に関する感想や意見をそのまま言い合うのではなく、民法や民事訴訟法というルールに従って互いに主張をするわけです。
互いに、弁護士を依頼して、弁護士を通じて話し合い、それで解決がつくというケースもかなりあります。また、それでも解決がつかなければ、中立的な第三者の仲介によって、たとえば、札幌弁護士会の紛争解決センターや各簡易裁判所の調停を利用して、弁護士同士の話し合いをベースに解決することも紛争解決の有力な手段と言えるのです。