知人に貸したお金が返済されないという事件は昔から多いのですが、最近は、ネット上で顔も見たことがない、住んでいる場所も知らないという人にお金を貸してしまった人からの相談やネット上で詐欺にあってしまい相手がよくわからないという相談が増えている気がします。
裁判を起こすためには、相手の正確な氏名と住所地が必要ですから、連絡の手段として頼りにしていた相手の携帯電話番号やメールアドレスが変更されてしまうと、連絡も取れなくなり、お金を貸している側の人は途方にくれてしまいます。そして、泣き寝入りをしてしまっている方も多いようです。
たしかに、ネット上で知り合い、仲良くなっただけで、本名や住所も知らないのにお金を貸してしまった人も迂闊ですが、そのような方法でお金を借りて、逃げ回っている人はもっと非難されるべきでしょう。
警察の捜査力には到底及びませんが、弁護士には、固定電話の番号や携帯電話の番号から契約者を調べる権能があり、必ずではないですが、電話番号から契約者の住所・氏名を割り出すこともできます。
また、同様に、何の連絡もなく、引っ越して行方がわからなくなった人に金銭を請求したいという場合には、住民票の移動先を調べることができます。同様に、相続問題が発生した時に、長く音信不通になっている親族の住所を調べることもできます。
さらに、自分の土地に無断で放置された車両にナンバープレートが付いていれば、そのナンバーから所有者を調べることもできます。
これ以外にも、弁護士は権能と知恵を駆使して、事件解決の「糸口」を掴むことに協力できます。
もし、紛争の相手が不明でどうしたらいいかわからないと考えていらっしゃるなら、諦めないで、法律相談で手持ちの手がかりを提示してみましょう。絶対ではないですが、事件を受任した弁護士が相手の正体を突き止めてくれるかもしれません。