執筆:むらやま法律事務所
徳永 賢太郎 弁護士
“人は知らないものにぶつかったとき、まず何をするか。”“検索するんだよ。”これは私が好きな作家の小説で登場するセリフですが、見事なまでに現代人の特徴を端的に表していて、私にとって非常に印象に残っているフレーズです。
仕事でも、プライベートでも、現代の人は、非常によく“検索”をしているかと思います。行きたい店の場所、立ち寄ったコンビニで偶然かかっていた曲の名前、郵送先の郵便番号…私も、日常でありとあらゆるものについて、知らないものにぶつかると、検索をしています。
そして、法的な紛争が自身の身に降りかかってしまった方も、法律のことはわからないことだらけで、そんなとき、“まず検索をする”という人はとても多いのではないかと思います。そして、“まず検索をする”人を待っていたかのような情報の数々がインターネット上には散乱しています。お金を貸したが借用証を作っていない、借用証の作り方を知りたい!という人には借用証のひな型に関する情報が、離婚を考えているが自分が浮気をしてしまっている、という人には、浮気をしてしまった側からの離婚の請求は原則として認められない…といったような情報が。そして、まるで自分が検索をするのを待っていた情報にたどり着いたとき、人はそれが答えであると考え、情報をそのまま受け入れてしまうことが多いかと思います。
しかしながら、こと法的な紛争を解決するにあたっては、辿り着いた情報は決して答えなどではなく、大きな落とし穴であることの方が圧倒的に多いと感じます。
相談にお越しになった方の相談対応をした際、インターネット上の情報をもとに作成された文書を拝見し、これでは意味がないと言わざるを得ない文書を見た、弁護士であれば誰しもこんな経験があります。
弁護士に相談すれば必ず思い通りになる!…というほど旨い話があるわけではありませんが、インターネット上の情報を見る限りではどうにもならないと思われるような状況であっても、何とか依頼者の要望を叶える、弁護士はそんな知恵を持っていたりもします。
知らないことにぶつかったらまず検索をする…私もそんな癖がついて久しい一人ではありますが、法的な紛争が身に降りかかってきたときは弁護士に相談をするのが、身を守り、問題を解決するための一番の近道です。そして、札幌市をはじめとした道央圏であれば、弁護士に相談する機会は、札幌弁護士会で運営する法律相談センターにて無料で得られます。
時間を少しだけ割いて、少しだけ勇気を振り絞って…ぜひ法律相談にお越しください。
以上