執筆:むらやま法律事務所
徳永 賢太郎 弁護士
特殊詐欺に注意喚起がされるようになって久しいですが、個人の住所や氏名といった情報を誰がどこで把握しているかわからない昨今、詐欺の手口も多様化しています。
今回の記事のタイトルとした“訴訟最終告知のお知らせ”というフレーズも、詐欺に用いられているものの一つです。もしこのようなタイトルの“はがき”を受け取ってしまった場合は、要注意。これは詐欺の手口の一つです。
法人や個人を問わず、誰かから裁判を起こされた場合に、あなたは裁判を起こされましたよという通知が裁判所から来る場合には、特別送達と書かれた“封書”で書類が送られてきます。つまり、特別送達という郵送方法で送られてきた文書でないのであれば、内容がいかにそれらしいものであっても、裁判所は関わりのない書類であると考えて差支えありません。裁判所から『あなたは訴訟を起こされましたよ』という通知が来る際には、はがきで通知がなされるということはあり得ないからです。
また、裁判を起こした場合、裁判の相手方に対しては、上記の通り裁判所から裁判を起こされた旨通知がされます。そのため、当事者が相手方に対してあえて裁判を起こしましたよ、と連絡する理由も基本的にはありません。
少し一般には見慣れない言葉が並んでしまったかと思いますが、上記のはがきが詐欺の入り口であるのかどうかということは、弁護士であれば誰でも、一目見れば分かることでもあります。
大事にしたくないという一心からご自身で対応され、はがきに記された番号に電話してしまえば、ありもしない金銭の請求の話をされ、詐欺被害に巻き込まれてしまうという大事になってしまう可能性がありますが、ほんの少し勇気を出していただいて、弁護士に相談をすれば、『これは詐欺ですから無視していいですよ。』と断言され、すぐに何も気にすることはないのだとすっきりすることができます。
このように、弁護士に相談し、助言を受けるだけですっきりするということは意外に多いように感じます。
弁護士に相談すること。これは大事でも何でもありません。風邪をひいてしまった、歯が痛い、足が痛い、そういった理由で街中のお医者さんのところに行くのと同じです。しかも、札幌弁護士会が運営する法律相談センターであれば、相談料も無料です。
問題が大きくならないように。ご自身に不幸が降りかかることがないように。気軽に弁護士のところへアクセスしていただければと思います。
以上