執筆:竹田 美由紀 弁護士
新型コロナウィルス感染症対策の一つとして、「テレワーク」を導入する会社が増えています。
テレワークとは、労働者が情報通信技術を利用して行う事業場外勤務をいい、労働者の自宅などで、ノートパソコンや携帯電話などを利用して仕事をする場合がその一例です。
出勤せずに仕事ができるため、時間や場所を有効に活用できるといわれており、また、子育てや介護をしている労働者が自宅や保育所近くで仕事をすることができるため、子育てや介護との両立がしやすくなるともいわれています。
他方で、労働時間の管理が難しい、長時間労働になりやすいなどの問題があるといわれています。
テレワークを行う場合も労働基準法などの法令が適用され、使用者は労働時間を適切に管理しなければなりません。出勤している場合はタイムカード、ICカードなどで確認できますが、テレワークを行う場合は、使用者がいない場所で仕事をするため、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録が望ましいとされています。
テレワークを行う場合、これまでの勤務ではかからなかった費用がかかることがあります。例えば、自宅で仕事をすることによって、自宅の電気代や通信費などがこれまでより高くなる、テレワークによりウェブ会議用の機器などの購入が必要になることもあります。
仕事にかかる費用は会社が負担するのが原則であり、労働者に情報通信機器などの負担をさせる場合は、就業規則への定めが必要です。ただし、自宅の通信費や電気代は、私生活で使用した分とテレワーク(仕事)で使用した分を区別することが困難であるため、あらかじめ一定額を「在宅勤務手当」として支給する会社も少なくありません。
テレワークは、緊急事態宣言を受けて急遽導入した会社も少なくなく、依然として取り決めが不十分なままのところもあるかもしれません。
テレワークについて不明な点があれば、最寄りの弁護士会や弁護士に法律相談をしてください。
以上