執筆:徳永 賢太郎 弁護士
法的なトラブルは身近な間柄にこそ起こりやすい問題と言えます。例えば離婚の問題や相続の問題は家族間のトラブルですし、仕事上のトラブルも、商売上の付き合いがある間柄でこそ起きるトラブルです。つまり、弁護士に相談、依頼をすべき紛争で身近な人が相手となってしまうケースは、実は非常に多いのです。
そして、相手が身近な存在であればあるほど、”言いたくても言えないこと”というのは多くなってくるものであると思います。
弁護士への相談、依頼というと、どうしても法律の専門家に依頼をする、ということに頭が行きがちであり、『そんなに大げさにしなくても・・・』と思われる方も多くいらっしゃるかと思いますが、少し見方を変えて、弁護士へ依頼するということは、ご自身に代わって、相手方へ”言いたくても言えないこと”をきちんと伝えてもらう事である、と考えて頂くと、弁護士に依頼をするということが、いかに非常に便利で、有用な手段であるか、ということをご理解頂けるのではないでしょうか。
恩がある相手方であっても、長年の付き合いがある相手方であっても、時には言わなければならないことがあります。そして、そういった“言わなければならないこと”を言わないまま時が過ぎていくと、それが後々の大きな紛争の火種ともなります。
そうなる前に、弁護士を代理人に立てる、というワンクッションを置き、代弁してもらうことで、言えなかったことが言えるようになれば、親しい間柄だからこそ解決しにくかった問題を解決に導くことができるのです。言いにくいことを伝えられた相手方から見ても、本人から言われるのと、弁護士が仕事として言ってくることでは、その受け止め方は大きく違います。弁護士は、相手方と仕事としてコミュニケーションをとりますから、お互いが感情的になって対立するということもありません。また、時に弁護士が代理人となること自体を嫌う方もいらっしゃいますが、弁護士は、そういった拒絶反応を受けることを数多く経験していますので、相手方の拒絶から始まる場合であっても、きちんとコミュニケーションをとる術を知っています。
身近なトラブルこそ、弁護士にご相談ください。弁護士に頼むことでかえって紛争が大きくなるのではないか。そういった心配も含めご相談ください。”言いたくても言えないこと”が言えてよかったと感じて頂けるよう、丁寧にお話をお伺いさせて頂きます。
以上