執筆:原 英士 弁護士
インターネットの普及により、誰もが様々な情報を手軽かつ瞬時に得ることができるようになり、とても便利な世の中になりました。弁護士の業務においても、裁判例や資料を検索する等、インターネットは必要不可欠なツールになっています。
しかし、一方で、インターネットを原因として様々な問題、例えば、営業妨害、名誉毀損、SNSを利用した脅迫、匿名での誹謗中傷などといった問題が発生するようになりました。特に、匿名での誹謗中傷の問題は、ネットリンチに発展し、誹謗中傷された被害者が自殺に追い込まれる等、取りかえしがつかないような結果を招いており、年々酷いものになっているという印象を受けます。
このようなインターネット上の誹謗中傷がなされた場合、被害者の対応としては、誹謗中傷の記載の削除を求めること、また、誹謗中傷を行った相手方に法的責任を追及することが考えられます。もっとも、誹謗中傷の記載を削除するといっても、どこに対し何をすれば良いのか、また、加害者が匿名のため、誰に対しどのような法的責任を追及すれば良いのか等、分からないことが多いと思います。
このような場合、まずは、弁護士に相談することをお勧めします。もちろん、弁護士に相談しても解決できないこともありますが、ひとりで悩み続けても、解決できることは少ないと思いますし、自殺等に追い込まれるようなことは絶対にあってはならないので、とにかく早く相談することをお勧めします。
なお、相談の際には、誹謗中傷の記載のURL(例えば、「https://~」から始まるもので、一般的に、インターネットブラウザの上の方に記載されているもの)が分かるように、記載内容を印刷したり、スクリーンショットで保存したり、その画面を写真で撮ったりして、相談時にそれらを持参することをお勧めします。また、誹謗中傷の記載が残り続ければそれだけ精神的苦痛を受け続けますし、誹謗中傷の記載の発信者情報の保存期間には限りがありますので、誹謗中傷の記載を見つけたら、できる限り早く相談することをお勧めします。
インターネット被害に関する疑問やお悩みがあるときは、すぐにご遠慮なくお近くの弁護士にご相談いただければと思います。
以上