執筆:徳永 賢太郎 弁護士
札幌弁護士会の法律相談センターでは、分野内容を問わず、無料で弁護士に相談をして助言を得ることができます。しかし、例えば離婚の問題で別居について悩んでいる、といった場合、インターネットで検索をすれば、悩んでいる事柄をキーワードとして入力するだけで様々な情報が得られ、更には、入力したキーワードに関連する諸問題についても、サーチエンジンが示唆してくれ、必要な情報を得ることができます。そんな現代社会において弁護士に相談するのは一体どんな意味があるのか、ということについて、今日は少しお話ができればと思います。
インターネットで情報収集をすることは、基本的には有用であると私は考えています。ご自身が抱えている問題が、どのような問題であるのか、どのような問題が生ずる可能性があるのか、そのアウトラインを知る手掛かりになるからです。
ただ、インターネット上の情報収集は”答え”を与えてはくれないことが非常に多いとも感じます。そして、その”答え”を聞くことができる、というのが弁護士に相談をする最大のメリットと言えます。
私が法律相談センターで相談を受けるとき、どんな相談でも必ず目標としていることがあります。それは、”次に何をすればいいのか”ということを具体的にお答えすることです。
インターネットの情報は、あなた自身の問題にフォーカスして存在するものではないため、その情報の多くは、一般的にはこうである、という趣旨のものが多く、また、インターネット上で誰かが質問に答えてくれる、ということもありますが、その回答は、果たして正確なものであるのか?という点がはっきりしません。インターネット上の質問に対する回答は、一見するといかにも専門的な内容を伴った回答のように見えて、”では次に何をすればいいの?”ということがよく分からない、ということも多いかと思います。
あなた自身の問題についてフォーカスし、そのうえで、何が最善の対処方法であるかを法的見地から考え、次に何をすればいいのか、という点について具体的な助言をし、ご提案をする―これは、あなたの相談を受けた弁護士にしか、成し得ないことなのです。
弁護士に相談をしたい、という場合、それは、大きな困難が降りかかり、問題が山積みのように思え、何から手を付ければいいのか、どうすればいいのかがわからない。そんな不安と悩みに押しつぶされそうになっているときであるかと思います。まさにその“何から手をつければ良いのか”“どうすればいいのか”ということを具体的にお答えすることができるよう、日々研鑽を積みながら、法律相談センターでお待ちしております。
以上