執筆:大和田 貴史 弁護士
昨今、フィリピンで詐欺グループメンバーが拘束されたニュースが巷を騒がせたことが記憶に新しいですが、インターネット詐欺事件に関する法律相談が数多く寄せられるようになっています。詐欺の形式も手を変え品を変え、日々新しい手口が生み出されています。そして、誰もが被害者にも加害者にもなりうるのがインターネット詐欺の怖いところです。本稿では私が過去に相談を受けた、インターネットを使った詐欺の現状をご紹介したいと思います。
被害者になってしまうケースの中で、インターネット上で知り合った人から投資の話や金銭の援助を持ち掛けられ、巧妙に金銭を巻き上げられてしまう事件の相談が増えています。詐欺グループがSNS上で他人に成りすまして、最初はたわいのない世間話で仲を深めてから(時には恋仲になっているように装って!)徐々に理由をつけて金銭の支払いを求められるようになります。被害者となる層も多様で、老若男女問わず多様な人々から相談が寄せられています。
加害者になってしまうケースの中でも多いのが、ツイッターやインスタグラムを通じて「闇バイト」に応募してしまい、犯罪グループから脅されて犯罪に加担してしまう事件です。裁判官も特殊詐欺事件については厳しい態度で臨むことが多く、初犯であっても実刑(執行猶予ではなく刑務所に入る)になることも珍しくありません。
どちらのケースであっても早期に相談してもらえれば犯罪とのかかわりを防止できることが多いです。少しでもおかしいと思ったときには気軽に弁護士に相談してみてください。
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