執筆:原 英士 弁護士
(以下、日高報知新聞に掲載されたものです。)
令和8年4月1日、民法(家族法)の改正法が施行され、父母の離婚後の子の養育に関する定めが変わりました。
特に、父母の離婚において、これまで定められていた単独親権(父または母の一方が未成年の子の親権者になること)以外に、共同親権(父母の双方が未成年の子の親権者になること)が可能になったことや、法定養育費の請求(養育費の取り決めがなくても、暫定的に一定額の養育費を請求すること)が可能になったことが、大きな改正点になります。
単独親権と共同親権について、どちらかが原則で、どちらかが例外であると決まっているわけではありません。父母の間でこれらが決まらない場合、裁判所が、個別具体的な事案ごとに、いずれが「子の利益」に適しているのかという視点で判断することになります。
なお、民法の規定上、父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められる場合や、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められる場合等、共同親権とすることが「子の利益」を害すると認められる場合は、共同親権ではなく単独親権と定めなければならないことになっています。
法定養育費について、これまでは父母の協議や家庭裁判所での調停・審判・裁判によって養育費の支払義務を定めないと養育費を請求することができませんでしたが、子の健全な成長に資するという養育費の重要性を踏まえ、取り決めがなくても、暫定的に、子1人あたり月額2万円の養育費を請求することが可能になりました。
いずれも始まったばかりの制度であり、特に共同親権については賛否両論がありました。今後、制度がどのように運用されていくのか、また、裁判所がどのように判断していくのかについて、事例の積み重ねが必要だと思います。
「子の利益」のため改正された民法(家族法)について、疑問等がありましたら、ご遠慮なくお近くの弁護士にご相談いただければと思います。

