執筆:佐藤 光太 弁護士
離婚を考えるときには、検討すべき事項がたくさんあります。もちろん、離婚をするということは、離婚をする意思があることが前提ですので、まずは自分が本当に離婚をしたいのかをしっかりと考えてみてください。
離婚意思がある場合には、離婚ができるかを検討する必要があります。離婚の方法には、大きく分けて、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類があります。協議離婚は、夫婦が話し合いを行い離婚に合意した場合に、役所に離婚届を提出することで離婚をすることです。協議離婚の場合には、夫婦が離婚をすることに合意しているため、離婚届を提出するだけで離婚が成立します。他方で、夫婦の一方が離婚に反対している場合には、協議離婚の方法で離婚をすることはできないため、家庭裁判所を利用して調停離婚、裁判離婚を目指していくことになります。
ここまでは、離婚そのものについての話ですが、離婚をする際には、夫婦の状況により、他にも考えなければならないことがあります。夫婦に子供がいる場合には、親権者をどちらにするかを決めなければなりません。子供と一緒に生活をする場合には、子と離れて生活する親に対して養育費を請求することになるでしょう。養育費の金額は、夫婦双方の収入や子供の数や年齢などによって異なります。実務上は、家庭裁判所が参考にしている養育費算定表を基準にして定められることが通常です。もっとも、算定表はあくまで基準として用いられているものですので、夫婦や子の状況等の個別の事案に応じて修正をすることで、算定表とは異なる金額が認められることもあります。婚姻期間中に夫婦で築き上げた財産を精算したい場合には、財産分与を求めることになります。夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産(夫婦共有財産)であるかぎり、不動産、預貯金、現金などの財産の種類や名義は問わず、財産分与の対象となります。他方で、結婚前から貯めていた預貯金などは、その者の固有財産として財産分与の対象にはなりません。これら以外にも、離婚をするに至った原因が一方の不貞等の場合には、慰謝料を請求する場合もあるでしょうし、婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金の年金分割を請求することも検討すべきです。
このように、離婚によって夫婦関係を解消する際には、検討すべきことがたくさんあります。そのため、一人で悩まずに、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。