執筆:吉崎 佑紀 弁護士
(以下、日高報知新聞に掲載されたものです。)
内閣府のワーキンググループの調査によると、令和7年中に自宅で亡くなった一人暮らしの方は、全国で約7万7000人、そのうち死後8日以上経過して発見された方は約2万2000人に上るとのことです。
亡くなった方に身内がいない場合、その方が住んでいた家や預貯金、支払がされていなかった借金などはどうなるのでしょうか。
相続人がいないままとなった財産は、もちろん誰かが勝手に処分することはできません。しかし、空き家が放置されたり、借金が返済されなかったりすると、近隣住民や債権者が困ってしまうので、そのままにしておくわけにもいきません。そこで、亡くなった方の財産の処理をするのが「相続財産清算人」です。
相続財産清算人は、亡くなった方に戸籍上相続人がいないときや、戸籍上の相続人が全員相続放棄をした場合などに、利害関係人が家庭裁判所に申立てをして、家庭裁判所が、主に弁護士などの法律家の中から選任します。
相続財産清算人は、亡くなった方の代わりに、預貯金の解約や、家や車の売却を行って、財産をお金に換え、債務がある場合にはその支払といった手続を行います。
このような処分を行って、財産が残った場合には、法律上相続人ではないけれど故人と特別な関係にあった方(特別縁故者)からの申出によって財産を分与したり、国庫に財産を引き継ぐこととなります。報道によると、令和6年度に相続人がいないために国庫に納められた総額は約1290億円にも上るそうです。
こうして、亡くなった方の財産が社会へと還元されていくことになります。
相続は、いずれすべての人に起こるものです。自分の財産がどのように引き継がれていくか、立ち止まって考えてみるのもよいのではないでしょうか。

