周波数 | 三角山放送局 76.2MHz「トークinクローゼット」内コーナー |
---|---|
放送時間 | 毎週火曜日 AM 9:15~ |
弁護士の日常について
第2、今週のテーマ
弁護士の日常 その1
第3、目次
(1)若手弁護士の日常
(2)所属事務所の個性
(3)プライべート
放送日 | 2017年8月1日 |
---|---|
ゲスト | 山口治香 弁護士、菊地亮介 弁護士 |
今週の放送 キーワード |
弁護士,日常業務,法律事務所,ボス弁,事務員,プライベート |
―はい,今週も「札幌弁護士会の知恵袋」の時間がやって参りました。
今回は,「弁護士の日常について」というテーマで放送します。
ゲストは札幌弁護士会に所属の山口治香(やまぐちはるか)さんと菊地亮介(きくちりょうすけ)さんです。
山口・菊地:よろしくお願いします。
第1、若手弁護士の日常
―今回は,弁護士の日常についてのお話ということですが,まずは,お二人の自己紹介をお願いします。
山口:私は札幌弁護士会に所属しております山口治香と申します。私は,弁護士になって4年目です。今日は,日常業務について話せる範囲ではありますが,いろいろお話させていただきます。
菊地:同じく札幌弁護士会に所属しております菊地亮介と申します。私は弁護士3年目です。私も,若手ならではの日常業務についてお話しさせて頂きたいと思います。
―さて,弁護士の日常業務と言うことで,普段弁護士さんがどんな仕事をやっているのかということですが,お二人が多く取り扱っている事件の分野等はあるのですか。
山口:私は,労働事件や交通事故,会社間取引紛争,家事事件,相続事件,いろんな分野の仕事を担当させていただいていますが,労働系の事件が特に多いのが特徴かな,と思います。あとは,やはり私自身が女性なので,女性の依頼者の方の事件も多いと思います。
菊地:私は,所属事務所の関係で交通事故を扱うことが非常に多いです。
もちろん交通事故以外でも,依頼いただいた事件は貪欲に何でもやります。債務整理,離婚・相続,労働事件,不動産関係,刑事事件・・・とにかく何でもですね。
―お二人とも,色々こなすのですね。弁護士さんというと,裁判で「異議あり!」と勇ましく発言されているイメージですが,実際,ずっと裁判所にいらっしゃるのですか。
山口:いえ。基本的に私は事務所で裁判所に提出する書面を作成したり,法律相談を受けたりすることの方が多いです。
もちろん,裁判にも行きますが,皆さんのイメージと違い,民事事件は,1回の裁判期日が10分以内に終了することの方が多いです。速いときは5分かからずに終わります。
ですから,基本的には事務所にいることの方が多いですね。
菊地:私も同じようなものですが,私の場合少し特殊で出張がとても多いです。週に2~3回は札幌以外の裁判所や地方の会社などに出張に行っております。そのため,事務所にいる時間も他の弁護士より大分少ないかもしれませんね。
―そうなんですか。弁護士さんでも働き方は色々違うんですね。
ちなみに朝は何時頃に出社されるんですか。
菊地:私は,まちまちです。お客さんが朝早くしか空いてないと言われるとき等は,7時,8時に行くこともあります。ただ,普段は8時~9時の間が多いかもしれません。
逆に帰りは,仕事が終わってからでないと来られないというお客さんも非常に多いことから,7時・8時から打合せや相談と言うことが多いです。そうなると,必然的に帰りは9時・10時が当たり前になってしまいますね。
山口:私は,朝は遅くても8時15分頃までには出勤しています。朝,事務所についたらすぐに一日のスケジュールを確認して,法律相談や裁判期日の時間を把握して,書面を書く時間を確保できるか検討します。夜は,大体は帰宅が8時頃になると思います。
―平均で12時間くらい働いておられるのですね。
山口:そうですね。
同業の弁護士などと飲み会があるときは,7時頃に仕事を終えることもありますが,一方で,忙しいときには,11時頃になることも珍しくありません。
また,私は,菊地先生と異なり,日中は事務所にいることが多いので,お昼も事務所がある西11丁目付近で食べることがほとんどです。
―山口さんは、菊地さんと比べて行動半径が狭いということでしょうか?
山口:はい。
菊地先生が、日中に自由に事務所から出て各地で行動できるのを聞いていると,少し羨ましいですね(笑)
―休日はどう過ごされているんですか。なにかこれだけ忙しいと,休日もないんじゃないかと思ってしまいますが。
山口:私は,土日のどちらかは出来る限り休もうとしています。結局は土日両方出てしまうことも多いですが,出来る限りどちらかは体と頭を休めて,平日の業務に備えたいなあとは思っています。
菊地:私は,家で仕事をするか事務所に行くかの違いはありますが,土日のどちらも仕事で埋まることが多いですね。
―それは大変ですね。
菊地:心身のために休まなければと思いつつも,悩みを抱えていらっしゃる依頼者のことを考えると,身体がついてくるうちは頑張らないといけないと思っています。
ただ,山口先生のように効率よく仕事を行うことも心がけないととも思いますね(笑)
第2、所属事務所の個性
―日常業務に話を戻しますが,皆さんの事務所や上司はどんな方なんでしょうか。
山口:私の事務所は,弁護士が4名,事務職員が2名の計6名体制の事務所です。
私の事務所の所長,いわゆるボス弁といわれる弁護士ですが,所長は,札幌弁護士会の中でも超ベテランの経験豊富な弁護士です。常に第一線で戦っていて,今も裁判所にも一緒に出て,たくさんの指導を受けています。
―そんな大御所の先生と働いていらっしゃるのですね。山口先生にとって,所長さんはどういう存在なんでしょうか。
山口:所長の長年の弁護士人生の中で築き上げた依頼者や所長のファンはとても多く,そのような依頼者の方からの厚い信頼を得ている姿をみていて,とても尊敬しています。
―大御所というといかつい方を想像してしまいますが,きっと皆さんから愛される所長さんでしょうね。仕事で困ったときなども助け合えそうですね。
山口:そうですね。
私の事務所は,所長を中心に,副所長の弁護士と,私の同僚の女性弁護士との弁護士4人体制です。困ったときに相談できる先輩や同僚がいるというのはとても助かります。
―菊地先生の事務所はどのような体制なのですか。
菊地:私の事務所は,弁護士が2名,事務員が2名の計4名体制の事務所です。
実は,私の事務所の所長は,山口先生がいらっしゃる事務所の出身です。最近,うちの所長が山口先生の所長に少し似てきたような気がすると思いましたが気のせいでしょうか笑
山口:うーん,多分気のせいです笑
菊地:とのことです。私の所長は,今,弁護士12年目くらいですが,優秀で人間的にもとても尊敬できる人です。弁護士会での信頼も厚いのではないかと勝手に感じています。
―凄く切れ者で真面目な方という印象を受けますね。事務所の皆さんも真面目で切れる方ばかりなんでしょうか。
菊地:所長が切れ者で真面目なのは否定しません笑
ただ,うちは,所長のキャラクターで決まると言うよりは,事務員さん含めてみんなの合議制で運営していこうというスタイルですので,風通しは良いと思います。少人数ですから,何でも話せるというのは非常に助かります。
―風通しが良いのは良いですよね。人間関係に患わされずにすみそうです笑
菊地:はい。我々の仕事は,紛争があって,そこに首を突っ込まなくてはなりません。ですから,非常に仕事自体がストレスフルです。なので,今の事務所の雰囲気には助かっています。芸能関係の話で盛り上がったり,どこのケーキが美味しいか等で事務所会議で総選挙に発展する等,楽しい事務所です。
―たとえば,日常業務の中で一番大変なお仕事って何ですか。
菊地:大変と言えば全部大変ですが・・・(笑)。
個人的な印象では離婚事件や相続事件は,感情がほとばしることが多いので,大変だなと思うことが多いかもしれませんね。
ただ,法律的な解決だけではなく,そういう感情的なもつれをほぐしていくというのも我々の大事な仕事であることは間違いありませんので,弁護士冥利に尽きるとも言えると思います。
山口:そうですね。菊地先生がおっしゃった相続事件は,相続人が多いときなど,調整に時間がかかることもありますね。どの事件も,問題点ですとか,壁があると思うので,それを必死に乗り越えようとするのだと思います。忙しいときは本当に忙しいですし,大変ですが,やりがいも感じています。
―改めて,弁護士さんって大変な仕事ですね。これだけ大変なお仕事ですと,何かの形でストレス発散しなければと思うんですが(笑)。なにかストレス発散する方法とかはあるんですか。
先ほど,山口先生から少し飲み会のお話しなんかがありましたが。
山口:そうですね。私は,同業者との飲み会も多いです。同業者の人は仕事の話をしても分かり合えることがありますし,友達や先輩と話していると,スッキリしてまた明日頑張ろうと,ストレス発散になります(笑)
菊地:私も,飲みに行くのは同業者がほとんどですね。
やはり,特殊な仕事ですので,仕事の愚痴を言うときは守秘義務がある人にと思ってしまいます(笑)。後は,単純に弁護士同士だと共通の認識を持てるので,話しやすいというのがありますね。
―仕事のストレスを発散するのに仕事の話をしに飲みに行くというのもなんだか矛盾していませんか?(笑)
菊地:それもそうですね(笑)。
後は,たまに走ったりとかそういうことくらいですかね。考えたら趣味らしい趣味がなくなってしまいましたね(笑)。学生の頃は,カラオケに行ったりキャンプに行ったりしていたのですが。
―山口さんは,直感で多趣味な感じがしますが,なにかストレス発散するような趣味はありますか。
山口:うーん,私もこれといった趣味はないですね。ただ気分転換は大事だと思っていて,最近は,音楽をよく聴きます。JPOP,クラシック音楽,わりと何でも聞きますが,好きな音楽を聴いて,癒しの時間を作っています。
第3、プライべート
―少し,プライベートのお話しなんかをお伺いしてもよろしいでしょうか。
休日は,仕事が多いという話でしたが(笑),純粋に休みの日は何をしてらっしゃるん
ですか。
菊地:私は,本当に無趣味な人間なので(笑)。何しているんでしょうね・・・。思いついたのは,ドライブと買物くらいです。余りにもありきたりすぎて,自分でもびっくりしました。
山口:私は札幌から離れた友人が来たときに久しぶりに会ったり,たまに離れた土地で就職した友人に会いにいったりしています。あと,職業柄か,肩こりがひどくなるので,肩こり改善のためにマッサージに行ったりもしています(笑)
菊地:あーマッサージ!私も行きますね笑
―弁護士さんって,人によって働き方が違って面白い職業ですね。また,お酒好きというか,意外な一面を知ることができました(笑)。
さて,本日の札幌弁護士会の知恵袋は以上になります。札幌弁護士会の知恵袋は,札幌弁護士会のホームページで過去の放送分をテキストで見ることができます。また,音声でも聞くことができます。今日の放送で聞き漏らした部分があるという方はぜひチェックしてください。
進行は田島美穂(たしま みほ)でした。
制作・著作
<エグゼクティブプロデューサー>
弁護士坂口唯彦(札幌弁護士会)
<プロデューサー>
弁護士北山祐記、弁護士髙橋健太、弁護士村本耕大(札幌弁護士会)
杉澤洋輝(三角山放送局)
<脚本>
弁護士山口治香、弁護士菊地亮介(札幌弁護士会)
<出演>
番組MC 田島美穂(三角山放送局)
ゲスト 弁護士山口治香、弁護士菊地亮介(札幌弁護士会)
<監修>
弁護士上田絵里、弁護士山田敬純、弁護士佐藤敬治(札幌弁護士会)
<初回オンエア>
平成29年8月1日