周波数 | 三角山放送局 76.2MHz「トークinクローゼット」内コーナー |
---|---|
放送時間 | 毎週火曜日 AM 9:15~ |
ようこそ、法律相談センターへ
第2、目次
(1)どんなときに弁護士に相談するといいのか
(2)お金の問題
(3)家族の問題
(4)まとめ
放送日 | 2018年1月16日 |
---|---|
ゲスト | 山田敬純 弁護士、福田光宏 弁護士 |
今週の放送 キーワード |
お金の問題、家族の問題、借金、任意整理、過払い金、通知、時効、離婚、相続、遺産分割、相続放棄、タイミング、お気軽に |
―はい、今週も「札幌弁護士会の知恵袋」の時間がやって参りました。
毎週火曜日の午前9時15分から15分間、役立つ情報を月替わりのテーマで放送します。
今日のゲストは、先週に引き続き、札幌弁護士会所属の山田敬純(やまだたかすみ)さん、福田光宏(ふくだみつひろ)さんです。
山田・福田:よろしくお願いします。
第1、どんなときに弁護士に相談するといいのか
―さて、早速本日のテーマに入っていきたいと思います。
前回は、法律相談センターとは何かということから、法律相談センターの場所、予約の仕方、相談料まで、いろいろとお話し頂きました。今回は具体的な相談内容についてということですね。
福田:はい。前回、法律相談センターとは何なのかということや、悩み事があればお気軽にご相談くださいということをお話しさせていただきました。
そうは言っても、じゃあどんなときに相談すればいいのかっていうことはイメージしづらいかも知れません。今週と来週は、たとえば、こんな悩み事があるときに相談してみてはいかがですかとか、こんな相談をされることがありますよといったことをお話したいと思います。もちろん、基本的にどんな相談でもオッケーなんですけどね。
―では、さっそくお願いします。
福田:今週は、「お金の問題」と「家族の問題」についてお話しします。
―お金の問題と、家族の問題ですか。
第2、お金の問題
山田:私たちが生活していく中で遭遇する悩み事って、この二つのどちらかが関係していることがすごく多いと思うんです。お金とか家族とか、一言で言っても、悩み事の中身は千差万別なんですけど。
―確かに、お金とか家族とか、私たちの生活とは切っても切り離せないものですよね。具体的には、どのような問題なんでしょうか。
山田:お金の悩み事で多いのは、やはり借金の問題です。消費者金融などから借入れをしたけど、返せなくなってしまったというお悩みが多いですね。
―そのような場合は、どのような解決方法がありますか。
福田:その人が置かれている状況によって違います。借金の総額がいくらなのか、何社くらいから借り入れているのか、現在の収入はどれくらいなのかなど、いろんな要素が関係してきます。
過去に借金をしたことがあって返済を続けているけど、月々の返済金額をもう少し減らすことができれば、返済を続けられるという状況の人であれば、月の返済額を減らすよう交渉することになるでしょう。任意整理というやつです。
何社からも借入れがあって、返済のために借入れを続けている人や、収入がなくて返済ができない人は、自己破産という選択をしなければならないかも知れません。
また、最近では少ないですが、ずっと返済を続けている人の中には、過払い金が生じている人もいるかも知れません。
―自分の置かれている状況を弁護士さんに話すことで、どうすればいいか解決策が見えてくるわけですね。
山田:そうですね。もちろん、借りたお金はちゃんと返さないといけないので、普通に返済ができている人が弁護士に相談する必要はないと思いますし、ただ単に返したくないというだけではこっちも困っちゃいますが・・・。
返済を続けていくと生活ができなくなってしまう場合や、自転車操業的に返済と借入れを繰り返している場合は、そのまま続けても状況が悪化してしまうケースが多いと思います。
―まずは弁護士さんに相談ですね。
福田:それと、けっこう多いのが、何年も返済をしていない業者からいきなり返済するように通知が届いたり、借りた覚えのない業者から返済するように通知が届いたというケースです。
こういうときって、実はその債務、時効を主張すれば返さなくていい場合があるんです。でも、言うとおりにして1円でも返済しちゃうと、時効の主張ができなくなってしまうんです。なので、業者はあの手この手で、返済を迫ってきます。最終予告通知とかいうタイトルで、いつまでに返さないと裁判をするとか、大幅に減額してあげるから返してよとか、緩急をつけて請求してきます。
―アメとムチですね。
山田:そうですね。アメばっかりのところもあれば、ムチばっかりのところもありますけど。
いずれにせよ、そういう通知が届いたら、すぐに言うとおりに返済をする方もいて、後日相談に来られて、時効主張できたかも知れないのに、と思うことがあります。ですので、そういう通知が届いたら、一度弁護士に相談することをお勧めします。
まあ、借りたお金をちゃんと返そうという気持ちは正しいと思うのですが、時効は法律上認められている制度ですから。返さなくて済んだものを返し続けるのはもったいないなあって思っちゃいますし、その借金のせいで自己破産を選択しなければならない場合もありますからね。
―まずは、弁護士さんに相談ですね。
第3、家族の問題
福田:お金の問題と同じくらい、私たちの生活に深くかかわっているのが、家族の問題です。
離婚の相談であったり、相続の相談であったりですね。
―どういう相談が多いんですか。
山田:離婚の問題では、やはり、配偶者との離婚を考えている方や、離婚を求められている方が、どういう風に進めていくべきか相談に来られることが多いのではないでしょうか。どういう手続を踏めばいいのか、何を決めればいいのか、とかですね。
―実際に離婚に踏み切ろうとしている方が相談に来られることが多いんですね。
山田:はい。でも、そこまで強い気持ちをお持ちじゃない方、離婚を具体的に考えているというわけでもない方もいらっしゃいます。
―そういう方は、どのようなことを相談しに来られるのですか。
福田:もし、将来的に離婚をすることになった場合どのようなことを決めなければならないのかとか、そもそも離婚した方がいいかどうか相談に来られる方もいます。
このように、問題が顕在化しているとまではいえない段階でも、ご相談いただく意味はあると思います。将来、もし判断を下さなければならなくなったときに、知識や情報は多いに越したことはないですから。もちろん、離婚をせずに済むのであれば、それに越したことはないですが。
―ちょっと弁護士さんからアドバイスを受けたいというときでも、相談に行った方がいいということですか。
山田:絶対に来るべきというわけではないですが、無駄にはならないと思います。
―相続の相談というと、どのような相談が多いのですか。
福田:相続の場合は、被相続人である方、たとえば親御さんがお亡くなりになり、相続財産をどのように分割したらよいか、であったり、実際に遺産分割の話し合いをしているがまとまらないといったご相談が多いように思います。
あと、被相続人に借金があった場合や、遺産を巡る争いに巻き込まれたくない場合など、相続を放棄したいという方もいらっしゃいます。ただ、相続放棄は、「相続の開始があったときから三箇月以内に」しなければならないとされています。この期間が経過してから相談に来られる方もいらっしゃいます。このような場合でも、事情によっては、相続放棄ができる可能性もありますが、やはり早めにご相談された方がいいと思います。
離婚と同じで、必ずしも相続の問題が顕在化していない場合であっても、知識を得るだけでも有用だと思いますよ。
第4、まとめ
―さて、ここまで、相談の例をお話していただきましたが、相談に来られる方は、相談の内容も、相談に来られるタイミングも、その人によって様々なんですね。
山田:そうですね。相談に来られる目的も、人によって様々だと思います。どのように対処すべきか知りたい人、弁護士に依頼をしたい人、問題が顕在化はしていないけれど、今後、問題が生じないかを相談したい人など。その人が相談したいと思ったタイミングで相談に来ていただくしかありません。
ただ、相談をするのが遅すぎたということはあっても、早すぎたということはないと、個人的には思います。「もっと早く相談していればよかった」と思うことはあっても、「もっと遅く相談すればよかった」と思うことは、たぶんないでしょうから。早めに相談しておけば、今のうちから準備をしておくべきなのか、どういうことを準備しておけばいいのか、今後、どのタイミングで行動を起こせばいいのかなど、アドバイスを受けられると思います。それだけでも、少し気持ちが軽くなるんじゃないでしょうか。
なので、結局最初に戻ってしまいますけど、弁護士に相談したいなと思ったときは、お気軽にご相談いただければと思います。
山田・福田:なんせ、無料ですから笑。
―なるほど。少しだけ、弁護士さんに相談に行くことのハードルが、低くなったような気がします。
残念ながら本日はそろそろ時間が来てしまったようです。どんな時に弁護士に相談すればいいのか、どんな相談があるのかについてお話を聞くことができました。
札幌弁護士会の知恵袋は、札幌弁護士会のホームページで過去の放送分をテキストで見ることができます。また、音声でも聞くことができます。今日の放送で聞き漏らした部分があるという方はぜひチェックしてください。
進行は田島美穂(たしま みほ)でした。
制作・著作
<エグゼクティブプロデューサー>
弁護士坂口唯彦(札幌弁護士会)
<プロデューサー>
弁護士北山祐記,弁護士髙橋健太,弁護士村本耕大(札幌弁護士会)
杉澤洋輝(三角山放送局)
<脚本>
弁護士福田光宏(札幌弁護士会)
<出演>
番組MC 田島美穂(三角山放送局)
ゲスト 弁護士山田敬純、弁護士福田光宏(札幌弁護士会)
<監修>
弁護士上田絵理,弁護士山田敬純,弁護士佐藤敬治(札幌弁護士会)
<初回オンエア>
平成30年1月16日