周波数 | 三角山放送局 76.2MHz「トークinクローゼット」内コーナー |
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放送時間 | 毎週火曜日 AM 9:15~ |
「良い遺言の日」について等
第2、目次
(1)良い遺言の日の告知
(2)無料相談
放送日 | 2018年3月20日、2018年3月27日 |
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ゲスト | 諸星啓太 弁護士、竹川靖之 弁護士 |
今週の放送 キーワード |
業務改革委員会,良い遺言の日,記念講演会,無料法律相談会,遺言,相続 |
―はい、今週も「札幌弁護士会の知恵袋」の時間がやって参りました。
毎週火曜日の午前9時15分から15分間、役立つ情報を月替わりのテーマで放送します。
第122回目のゲストは、前回に引き続き、札幌弁護士会の業革委員会所属の諸星渓太(もろほしけいた)さん、竹川靖之(たけかわやすゆき)さんのお二方です。
諸星・竹川:よろしくお願いします。
第1、良い遺言の日の告知
―早速ですが、本日は、前回少しだけ話の出た良い遺言の日のイベントについて詳しく伺っていこうと思います。
平成30年4月13日金曜日の午後1時30分から札幌駅前のエルプラザで「良い遺言の日記念講演・法律相談会」が開催されます。
竹川さんが講師をされるのですよね。
竹川:はい。
―そもそも「良い遺言の日」とは何なのでしょう。
諸星:弁護士会では、語呂合わせで毎年4月15日を「良い遺言(いごん)の日」と定めています。「4・1・5」で「ヨイ・イ・ゴン」です。
先ほどから何度も「いごん」と申し上げていますが、「いごん」とは、いわゆる「ゆいごん」の事です。漢字は同じなのですが、法律上は「ゆいごん」ではなく、「いごん」と読むのです。
私たち業革委員会は、毎年、4月15日の付近でイベントを開催し、遺言について市民の皆様に広く知って頂き、有効に活用して頂こうという活動をしています。
―当日は法律相談会も予定されているのですか。
諸星:講演の後、札幌弁護士会の弁護士が、その場で無料相談を行う予定となっています。
昨年も無料法律相談を実施しましたが、多数の方にお申込みいただき、大変盛況でした。
―なるほど、講義と相談会がセットになっているんですね。法律って難しいイメージがありますが、講義を聞いただけでわかるものでしょうか。
竹川:いろいろ専門用語があってわかりづらいですよね。
講演では、できる限り法律用語をかみ砕いて説明して、わかりやすく話したいと思っています。また、分からない部分は個別相談会の時などに聞いていただければもう少し時間をかけてお伝えできると思います。
―講演の題目は、「こんなときどうする?知っておきたい遺言の役割」と伺っています。具体的にどんなお話しが聞けるのでしょうか。
竹川:遺言を作成することで避けることのできるトラブルをご説明します。また、遺言を作成するにあたっての注意点についてもお話しします。
―なにか一つ具体例をお話いただけますか。
竹川:例えば、子供が2人、相続財産が1000万円の預金だけというケースを想定しましょう。
いつも世話をしてくれた長男に生前にお礼の趣旨で住宅資金として500万を贈与し、自分の死後には、残りの500万円を兄弟で半分ずつ分けて貰えばよいと考えていたとしましょう。
しかし、遺言を作らないと、長男の相続分は0円、二男の相続分が500万円という結果になってしまうのです。
これでは、わざわざ生前にお礼として500万円を渡した意味がなくなってしまいますよね。遺言を作成すれば、当初考えていたとおり、残った500万円を、長男と次男で半分ずつ分けてもらうことができます。
―なるほど。今の話一つを聞くだけでも遺言の重要性が分かりますね。
遺言制度の利用は実際、増えているのでしょうか。
諸星:裁判所の統計によると、遺言の検認件数が、平成19年が1万3309件だったのが、平成28年には1万7205件に増加しており、増加傾向にあるといえます。
ちなみに、検認というのは、家庭裁判所で、法定相続人が集まって、遺言の内容や状態等を確認し、保存するための手続きです。検認は主に自筆証書遺言について行われますので、検認件数が増加しているということは、自筆証書遺言の作成数自体が増加しているといえます。
また、日本公証人連合会のホームページによれば、公正証書遺言作成件数は、平成19年には7万4160件であったのが、平成28年には、10万5350件となっており、やはり増加傾向にあるものといえます。
このように、自筆、公正証書遺言を問わず、多くの方が遺言を作成するようになってきているといえます。
―今、自筆証書遺言、公正証書遺言という言葉が出てきましたが、それぞれどんな特徴があるのでしょうか。
竹川:自筆証書遺言とは、読んで字のごとく自分の筆、すなわち、自分で遺言書を書いて作成する方式です。手軽に作成できるというメリットがある反面、作成時のルールが守れていないと、遺言が無効になってしまうというデメリットがあります。
公正証書遺言とは、公証役場において、公証人によって作成される遺言です。公証人という専門家が介在するので、ルール違反のおそれはないのですが、他方で必要書類を集める手間がかかったり、費用がかかったりします。
講演では、遺言の方式についてもお話ししたいと思います。
―自筆証書遺言と公正証書遺言はどちらを選択すべきでしょうか。
諸星:ケースバイケースです。私が相談を受けた際は、公正証書遺言の作成をおすすめすることが多いのですが、自筆証書遺言を選択したこともあります。
その方は、末期がんで余命がいくばくもない方で、公正証書遺言の作成に必要な戸籍等を集める間に亡くなられてしまうおそれがあったので、自筆証書遺言を作成しました。
―なるほど。ということは、前回の法律相談同様、遺言の場合でも早めの相談が重要ということでしょうか。
竹川:その通りです。
遺言の作成にあたっては、遺言能力というものが必要となります。遺言能力とは、自分で作成した遺言の内容を理解し、その遺言によってどのような効力が生じるのかを理解できる能力をいいます。
認知症が進行してしまい、自分で作成した遺言の内容が分からなくなってしまうと、遺言は無効となってしまうのです。
ですから、遺言も早め早めに作成することをおすすめします。一度作成したとしても、また新たな遺言を作成して内容を変更することもできますしね。
第2、無料相談
―少しお話しを伺うだけで、興味深い話が色々出てきますね。
イベントに参加するにはどうしたらよいのでしょうか。
諸星:4月6日までにお電話でお申し込み下さい。
電話番号は、「011-281-2428」です。
―改めて時間と場所を教えていただけますか。
諸星:4月13日金曜日午後1時30分から、札幌駅前のエルプラザ4階大会議室にておこないます。講演も法律相談も無料ですので、お気軽にお越しいただければと思います。
竹川:遺言を作成することを考えておられる方はもちろんですが、相続や遺言の制度について少しでもご興味があれば是非、お気軽に足を運んでいただければと思っています。
―本日はありがとうございました。
札幌弁護士会の知恵袋は、札幌弁護士会のホームページで過去の放送分をテキストで見ることができます。また、音声でも聞くことができます。今日の放送で聞き漏らした部分があるという方はぜひチェックしてください。
進行は田島美穂(たしま みほ)でした。
制作・著作
<エグゼクティブプロデューサー>
弁護士坂口唯彦(札幌弁護士会)
<プロデューサー>
弁護士北山祐記,弁護士髙橋健太,弁護士村本耕大(札幌弁護士会)
杉澤洋輝(三角山放送局)
<脚本>
弁護士仲世古善樹、弁護士小川里美、弁護士諸星渓太(札幌弁護士会)
<出演>
番組MC 田島美穂(三角山放送局)
ゲスト 弁護士諸星啓太,弁護士竹川靖之(札幌弁護士会)
<監修>
弁護士上田絵理,弁護士山田敬純,弁護士佐藤敬治(札幌弁護士会)
<初回オンエア>
平成30年3月20日