先日、走行距離1万キロで事故歴も無い中古車を購入することにして、契約書を取り交わしました。非常に忙しそうで、業者からの納車は1ヶ月くらい先ということになりました。
しかし、契約の翌日に、他にもっと安くて良い車を見つけたため、すぐに業者に連絡して解約を申し入れました。すると業者は、「解約するなら違約金を払え。売買代金の20%だ。」と言いました。
確かに、契約書には「解約違約金は代金の20%」と書いてありますが、業者はまだ何もしていないのに、これでは高すぎませんか?
「消費者契約法」では、「平均的な損害」を上回る違約金の請求を禁じています。あなたの場合、契約直後に解約を申し入れており、実際のところ、損害はほとんど生じていないと思われます。
そこで、業者に対し、いつ、どのような損害が生じたのか具体的に説明するよう求めてください。業者がきちんと対応しないようであれば、弁護士に相談してください。
結局、その中古車を買ったのですが、業者の説明と違い、実際にはメーターが改ざんされていて走行距離は5万キロでした。しかも事故歴もある車だとわかりました。
業者に「だまされたので、契約をなかったことにしたい。」と言ったら、走行距離メーターの改ざんや事故歴について、「自分も知らなかったので、だましたのではない。」と言われ、放置されました。このまま泣き寝入りなのでしょうか?
「消費者契約法」によれば、『重要な事項』について、事実と異なることを言われたために誤解して契約した場合には、取り消すことができます。
中古車の売買において走行距離や事故歴は『重要な事項』ですから、あなたが事実と異なる説明で誤解して契約したのであれば、取り消すことができます。
この場合、業者がわざと嘘をついたのかどうかは、問題ではありません。
たとえ業者自身も知らなかったとしても、消費者に対し、『重要な事項』について、事実と異なる説明をして契約させた、ということが問題となるのです。
しかし、契約書には「一度走行した後には、解約や取り消しには一切応じません。」と、太字で書かかれています。私も、こんなことになるとは思わず、「これに同意して契約します。」という欄に、自分で署名してしまいました。
私は昨日、この車に乗ってしまったので、もうダメなのではないでしょうか?
たとえそのような記載があっても、事実と異なる説明で契約した場合には、取り消すことができます。
そもそも、車の性質上、乗ってみて初めて不具合がわかる場合もあるのですから、「一度でも走行したら解約できない」とか、「理由があっても解約や取り消しができない」とするのは問題です。
これは、『消費者側に一方的に不利で不当な内容』となっています。「消費者契約法」は、このような不当な条項は無効である、と規定しています。
実は私は小さな会社の経営者です。「消費者契約法」という名前からすると、私には関係が無いように思うのですが?
確かに、「消費者契約法」は、事業者を除く個人のための法律ですが、会社を経営していても、あらゆる取引について「事業者」と判断されるとは限りません。一律には決められないことが多いので、まずは弁護士に相談してみてください。
仕事が忙しくて、なかなか相談に行く暇がないのですが?
「消費者契約法」による取り消しは、問題に気づいてから6ヶ月以内にすることになっています。
また、気づかないうちに6ヶ月を過ぎた場合には、契約から5年以内は「消費者契約法」の適用が考えられますし、他の法律によって救済される場合もあります。
とはいえ、具体的な問題点をきちんと整理した方が良いので、なるべく早く弁護士に相談してください。