改めて取調べの可視化(全過程の録画)を求める会長声明~足利事件再審無罪判決を受けて~
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声明・意見書2009年度

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改めて取調べの可視化(全過程の録画)を求める会長声明
~足利事件再審無罪判決を受けて~

  1.  本日、足利事件再審請求事件において、宇都宮地方裁判所は、菅家利和さんに対し、無罪の判決を言い渡した。
     本件無罪判決は、有罪判決の決め手の一つとなった警察庁科学警察研究所によるDNA鑑定について「理論的に正確性を持ち、信頼される手法で行なわれたと認めるにはなお疑問が残る」として証拠能力を認めなかった。また、菅家さんの自白に関しては「信用性は認められず、虚偽は明らかである」と認定した。ここに、本判決の大きな意義がある。
  2.  既に、札幌弁護士会は、2009年7月2日付で2度目の会長声明を出し、その中で、「足利事件においては、菅家さんが、取調べ段階において犯行を『自白』し、その旨の供述調書が作成されている。菅家さんの自白調書が存在するという事実は、たとえ無実の者であっても、容易に虚偽の自白をしてしまうということを改めて証明するものである。
     現在の刑事裁判は、密室において作成された被疑者・被告人の供述調書を偏重しているにもかかわらず、供述調書の作成過程を事後的・客観的に検証する手段が存在しない。そのために、取調官の違法・不当な取調べ、虚偽の自白の誘発等が横行し、その結果多くの冤罪が生み出されてきた。」「足利事件における虚偽自白の存在は、冤罪防止のため、取調過程の全面的な可視化が必要不可欠であることを改めて強く認識させたものだと言わなければならない。」と指摘した。
     本件無罪判決は、取調過程の全面的な可視化の必要性とその重要性を裏付けるものであり、本判決を受け、千葉景子法務大臣も、可視化対応の必要性を認めた。
  3.  札幌弁護士会は、改めて、取調べの可視化を義務づける法案を早急に可決することを求めると同時に、警察庁・検察庁に対し、直ちに、取調べの全面的な可視化を実施することを強く求めるものである。

2010年3月26日
札幌弁護士会 会長  高崎 暢

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